著者
水町 龍一 川添 充 西 誠 小松川 浩 五島 譲司 羽田野 袈裟義 椋本 洋 御園 真史 寺田 貢 高安 美智子 高木 悟 落合 洋文 青木 茂 矢島 彰 藤間 真 森 園子 船倉 武夫 上江洲 弘明 松田 修 森本 真理 井上 秀一 山口 誠一 萩尾 由貴子 西山 博正 堀口 智之 渡邊 信 近藤 恵介
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究に着手後9か月で国際研究集会を行い,当初の研究目標である学士力の基盤となる数学教育を,モデリングを軸にしたリテラシー教育として行うことの可否・可能性を議論した。結論は,解釈の多義性があるので「高水準の数学的リテラシー」とすること,モデリングではなく概念理解の困難を緩和する方向で近年の数学教育は発展してきたこと,しかしいくつかの留意事項を踏まえれば十分な可能性があるということであった。そこで「高水準の数学的リテラシー」とはコンピテンスであると定式化し,教育デザイン作成に際して価値,態度,文脈を意識する必要を明らかにした。微分積分,線形代数,統計等の諸科目で教材作成・科目開発を実践的に行った。
著者
福間 良明 杉本 淑彦 山登 義明 上杉 和央 吉村 和真 山口 誠
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、戦後の大衆的なメディアに焦点を当てながら、大衆文化にあらわれる戦争体験の継承と断絶の変容について、考察してきた。具体的には、個々の大衆メディア(映画,テレビ,マンガ,戦跡・資料館)における「戦争体験」を比較対照し、そこにおける戦争理解やその社会背景について考察した。なお、そのうえでは、沖縄、広島、長崎、グアム(大宮島)など、戦場ごとの描写の相違にも注意を払った。
著者
烏谷 竜哉 黒木 俊郎 大谷 勝実 山口 誠一 佐々木 美江 齊藤 志保子 藤田 雅弘 杉山 寛治 中嶋 洋 村上 光一 田栗 利紹 藏元 強 倉 文明 八木田 健司 泉山 信司 前川 純子 山崎 利雄 縣 邦雄 井上 博雄
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.36-44, 2009-01-20 (Released:2016-02-15)
参考文献数
19
被引用文献数
3 6

2005 年6 月~2006 年12 月の期間,全国の循環系を持たない掛け流し式温泉182 施設を対象に,レジオネラ属菌等の病原微生物汚染調査を行い,29.5%(119/403)の試料からレジオネラ属菌を検出した.採取地点別の検出率は浴槽が39.4%と最も高く,貯湯槽23.8%,湯口22.3%,源泉8.3%と続いた.陽性試料の平均菌数(幾何平均値)は66CFU/100mL で,採取地点による有意差は認められなかったが,菌数の最高値は源泉,貯湯槽,湯口でそれぞれ180,670,4,000CFU/100mL と増加し,浴槽では6,800CFU/100mL に達した.陽性試料の84.7%からLegionella pneumophila が分離され,血清群(SG)別ではSG 1,5,6 がそれぞれ22,21,22%と同程度の検出率であった.レジオネラ属菌の汚染に関与する構造設備及び保守管理の特徴を明らかにするため,浴槽と湯口上流側とに分けて,多重ロジスティック回帰分析を行った.浴槽での汚染リスクは,湯口水がレジオネラに汚染されている場合(OR=6.98,95%CI=2.14~22.8)及び浴槽容量が5m3 以上の場合(OR=2.74,95%CI=1.28~5.89)に高く,pH 6.0未満(OR=0.12,95%CI=0.02~0.63)では低下した.同様に,湯口上流ではpH 6.0未満(OR=0.06,95%CI=0.01~0.48)及び55℃以上(OR=0.10,95%CI=0.01~0.77)でレジオネラ汚染を抑制した.レジオネラ属菌以外の病原微生物として抗酸菌,大腸菌,緑膿菌及び黄色ブドウ球菌を検査し,汚染の実態を明らかにした.
著者
山口 誠
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.111-125, 2017 (Released:2020-01-13)

本論文は、J. アーリとJ. ラースンが著した『観光のまなざし』第3版(Urry & Larsen, 2011 加太訳 2014)のうち、第1版(Urry, 1990 加太訳 1995)および第2版(Urry, 2002)と比較してみえてくる、新しく加筆された議論と変更された論点の2点に照準し、その意図と可能性を検討することで、観光研究の新たな論点を構想する。第一に、同書の第3版では「観光と写真」をめぐる議論が加筆され、その第7章では写真術のアフォーダンスが、第8章ではパフォーマンスが中心的に論じられることで、アフォーダンスとパフォーマンスの相関において具体的に現象する観光のモビリティを分析するための新たな方法論が提起されている。第二に、第3版では集合的まなざしをめぐる議論が大幅に増加し、その派生型とされるメディア化されたまなざしが注目されることで、観光のまなざしの解釈学的循環が重要なテーマとして浮上したといえる。そして、これらの加筆された論点の可能性を尽くさずに後期近代におけるリスク社会論(U. ベック)へ水準を変調させていった第3版の最終章を批判的に検証し、改めて後期近代論と観光研究を接続することで、後期観光と集合的自己という論点を提示し、観光研究の新たなテーマを模索した。そうして今日の再帰的な後期観光では、個人の外部にひろがる世界ではなく、その内部に潜む自己こそが目的地であり、集合的まなざしの共有によって集合的自己を追体験することがアトラクションの一つになっている状況を指摘した。
著者
山口 誠二 ヤマグチ セイジ Yamaguchi Seiji 中井 隆介 ナカイ リュウスケ Nakai Ryusuke 高玉 博朗 タカダマ ヒロアキ Takadama Hiroaki
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.65-72, 2016-03

チタン金属(Ti)及びその合金は、生体親和性に優れ、高い機械的強度を示すので、整形外科や歯科の分野において人工関節や人工歯根などに広く使用されている。しかし、これらの金属は、骨と結合しない、骨粗鬆症骨に適用しにくい、感染症の感染源となり得るなど、様々な課題を抱えている。筆者らは、 Tiに骨結合能を付与できると報告されているNaOH-加熱処理を改良して様々な機能性金属イオンを導入することにより、上述の課題を同時に解決し得る多機能生体活性Tiの開発を進めている。TiをNaOH水溶液に浸漬後、Caと共にSr、Mg、Li、Znなど様々な機能性金属イオンを含む混合溶液に浸漬した。その後、加熱処理を施し、再度、金属イオンを含む水溶液に浸漬した。処理後のTiは、擬似生体環境下でこれらの金属イオンを7日まで徐放し、骨結合能の指標となる骨類似アパタイトを3日以内に旺盛に形成した。Sr、Mgを導入したTiを家兔大腿骨に埋入したところ、処理後のTiはいずれも生体内で周囲の骨形成を促進し、早期に骨と結合した。これらの処理を施したTiは導入した金属イオンの種類に応じて生体内で様々な機能を果たすので整形外科及び歯科用インプラントとして有用であると期待される。
著者
山口 誠一
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = Bulletin of Faculty of Letters, Hosei University (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
no.67, pp.13-25, 2013

本論考は,『精神現象学』「序説」の「Ⅰ 現代哲学の課題」の「〔 3〕原理は完成ではないこと,形式主義に対する反対」の前半部を扱う。ここでは,『精神現象学』とりわけ序説執筆時のヨーロッパの歴史との関係が簡潔に語られている。
著者
山口 誠史 松尾 沢子
出版者
THE JAPAN EVALUATION SOCIETY
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1_31-1_46, 2011

日本の国際協力NGOによるアカウンタビリティに関する取り組みは、1990年代中頃までほとんどみられなかった。しかし、1990年代後半になるとNGOへの関心の高まりや社会の様々な組織に対するアカウンタビリティ向上の要望、NGOによる補助金不正使用事件の発覚などをきっかけに、NGO独自のアカウンタビリティ取り組みの必要性が認識されるようになった。<br>国際協力NGOのネットワーク組織である(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)は、2002年に有志による委員会を発足させ、「組織運営」「事業実施」「会計」「情報公開」の4つの分野で合計322項目からなる自己審査キット「NGOのアカウンタビリティ行動基準」を策定した。その後、項目数の削減や立会人制度の導入などの改良を加えた「アカウンタビリティ・セルフチェック2008(ASC2008)」を作成し、JANIC正会員団体を対象に普及に取り組んでいる。<br>今後は、途上国で開発協力を行う現場型以外のNGOにも適用できる基準の見直しや組織強化につながる仕組みづくりなどを進めつつ、ASC2008の実施団体を増やし、NGOの社会的信頼性の向上に貢献していく。
著者
片岡 知守 山口 誠之 遠藤 貴司
出版者
東北農業研究センター
雑誌
東北農業研究センター研究報告 (ISSN:13473379)
巻号頁・発行日
no.107, pp.15-28, 2007-03
被引用文献数
1

「萌えみのり」は東北農業研究センターにおいて、多収で良食味の「南海128号」と耐倒伏性に優れ良食味の「はえぬき」を交配し、その後代から育成された粳品種である。2006年に"水稲農林416号"として命名登録された。出穂期と成熟期は育成地(秋田県大仙市)では「ひとめぼれ」、「はえぬき」に近い"中生の晩"に属する。いもち病真性抵抗性遺伝子型は"Pia、Pii"と推定され、圃場抵抗性は葉いもちが"やや弱"、穂いもちが"中"、耐冷性は"強"で、穂発芽性は"難"である。「ひとめぼれ」より稈長が短く、倒伏に強い。湛水直播栽培においては、転び型倒伏が「ひとめぼれ」より少なく、「はえぬき」と同程度で、玄米収量はこれらより多収である。このため、表面散播でも倒伏が少なく多収である。玄米品質は"上下"で、精白米の白度は「ひとめぼれ」、「はえぬき」より高い。炊飯米の食味は移植栽培、直播栽培のいずれにおいても「ひとめぼれ」並の良食味で"上中"である。本品種は直播栽培においても倒伏が少なく多収なため、東北地域における直播栽培を安定化させ、良食味米の低コスト生産を可能にすることが期待される。栽培適地は東北地域中部以南の平坦地である。
著者
白水 美智子 山口 誠哉 賀来 俊輔
出版者
社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.123-135, 1976 (Released:2011-03-04)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Health effects of long-term tuna diet in cats were examined. The cats were fed daily with three kinds of tuna, containing different concentrations of mercury and selenium. The following results were obtained.1) A high correlation was noted between the amount of fish intake and the mercury level in hair and blood samples of cats.2) Mercury levels in organs were elevated corresponding with the amount of tuna consumption, but the distribution of mercury in organs of cats exposed to mercury in tuna flake differed from that in tuna fresh meat. In the liver, the ratio of methyl mercury to the total mercury was very low with an average of 11.5% of the ratio.3) With regard to selenium, there was no correlation between intake of selenium and selenium levels in the cerebrum, cerebellum, and kidneys, except in the liver (γ=0.766).4) None of the cats had definite methyl mercury poisoning, but some slight disturbances were noted in several cats.