著者
春山 功 吉田 悟 元井 文子 山崎 勉 相原 公久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.242, pp.25-30, 1997-08-29

広域保守体制下においては集約による効率化の実現やサービス品質の確保のために, 広域保守拠点からの遠隔監視・制御による保守の体制を確立することが急務となっている. 我々は, サービス回復・立会・機械室管理業務をターゲットとして取り上げ, これら業務を遠隔で実施するための機能を抽出し, 本結果に基づき映像・音声・センサ・データ等のマルチメディア情報を有機的に活用して総合的な監視・制御を実現する広域監視システム(Iwatch)の基本構想の提案をした. 更に, 一部機能を実現したシステムの実運用における評価結果等についても報告する.
著者
タイ タッチ バオ 森野 博章 相田 仁 齊藤 忠夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.506, pp.37-42, 1999-12-16

スケーラビリティのある多段接続網を用いた大容量可変長パケットスイッチのアーキテクチャを検討している。本稿では、パケットの分散入力の原理を導入し、再ルーティングの原理を用いた多段接続網を提案した。提案スイッチは複数段のノンバッファ単位スイッチで構成され、Shuffle Patternで多段接続され、リングトポロジーで繋いで、入力ポートをこのリング状に分散させる。スイッチに入力されるトラヒックは均等に各段に分散され、単位スイッチの利用効率の向上を図って、従来の再ルーティング型パケットスイッチよりも少ないハードウェア量で目標のパケット損失率を達成できる。また、不均一なトラヒックの場合でも、均一なトラヒックの場合とほとんど変わらない性能を示す。
著者
松尾 真人 久保田 稔 板生 知子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.131, pp.31-36, 1997-06-23
被引用文献数
1

ユーザのネットワーク利用を積極的に支援する, 気が利くネットワークを提案する. 気が利くネットワークは, ネットワーク内の情報を活用し, ネットワーク側からユーザに積極的に働き掛けることにより, ユーザの目的・状況に応じて, 最高の条件で, ユーザが求めるものを提供する. これにより, ユーザは, ネットワークのオープン化や多様化に伴う選択肢の増大に悩まされることなく, 要求に応じたネットワークサービスが利用できるようになる. また気が利くネットワークの実現例として, 適応型ネットワーキングサービス環境DANSEを提案する. DANSEは, 個々のユーザにポータブルなユーザ環境を提供すると共に, プロバイダ〜ユーザ間のリソースの流通を活性化する.
著者
山中 直明 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.566, pp.1-6, 1999-01-28

ユーザのPCの蓄積能力が大幅に向上し、ディジタルビデオのコンテンツを配信するプッシュ型サービスが中心となった次世代ネットワークのアーキテクチャを提案した。コンテンツの識別子(コンテンツID)をユーザが網内の各ノードに定義し、各ノードは配下にこのコンテンツを転送すべきか否かでフィルタリングする(テーブルルックアップ)。転送は、すべてシェアードメディア型のブロードキャストセレクションで行い、各網リソースは、一時的には1つのコンテンツをフルスピードで転送するために占有されるバースト転送型のネットワークを提案する。
著者
高垣 景一 大崎 博之 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.670, pp.451-458, 2001-03-09
被引用文献数
4 1

インターネットでは、TCP (Transmission Control Protocol)においてウィンドウ型のフロー制御方式が用いられている。これまで、さまざまな研究者らによってTCPの解析が行われている。従来の研究では、ネットワークにおけるパケット棄却率を一定と仮定し、この時のTCPの平均的な特性を解析したものがほとんどである。しかし現実のネットワークでは、TCPのウィンドウサイズが変化すれば、それによってネットワークにおけるパケット棄却率は変化する。そこで本稿では、TCPの輻輳制御機構とネットワークをフィードバックシステムとしてモデル化し、TCPの過渡特性を解析する。つまり、TCPはネットワークでのパケット棄却率を入力とし、ウィンドウサイズを出力とするシステムとしてモデル化する。一方、ネットワークはTCPのウィンドウサイズを入力とし、パケット棄却率を出力とする一つのシステムとしてモデル化する。なお、ネットワークは、TCP以外のバックグラウンドトラヒックをも考慮した、待ち行列としてモデル化する。得られたモデルに対して過渡特性解析を行い、バックグラウンドトラヒックの量や、TCPのコネクション数などによって、TCPの過渡特性がどのように変化するかを定量的に明らかにする。
著者
榎本 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.566, pp.43-48, 1999-01-28
参考文献数
8
被引用文献数
1

帯域遅延積が大きい通信路はロングファットパイプと呼ばれている。このロングファットパイプではTCPの性能が低下するといわれている。一方、イントラネットワークあるいはインターネットのバックボーン回線は高速化しつつあり、全国に配置されたサーバー間での高速データ転送等はロングファットパイプの領域に達すると考えられる。本稿では、TCPの動作を解析モデルを使用して定量的にとらえることにより、ロングファットパイプでの性能低下の原因をあきらかにし、その対策案について考察する。
著者
安田 洋史 須田 宏一 臼井 幸弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.406, pp.31-36, 1996-12-13

プライベートネットワークのマルチメディア化および大規模化に伴い,バックホーンネットワークへのATM交換機の適用が有望視されている.プライベート系バックボーン交換機に対する要求条件はパブリック系交換機との共通性があり,今後,両ネットワークへの適用を視野に入れたシステム開発が進むものと想定される.本稿は,ネットワーク管理の観点から両ネットワークの特徴を比較し,パブリック系交換機をプライベートバックボーンに適用する場合の課題と解決策を示す.
著者
若宮 直紀 村田 正幸 宮原 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.428, pp.79-84, 1999-11-15
被引用文献数
5

通信品質保証のないインターネットにおいては,高品質な通信を求めるデータ系アプリケーションはTCPを,高速な通信を求める実時間型アプリケーションはUDPをそれぞれ利用するため,ネットワークにはTCP,UDPの異なるプロトコルが存在している.そのようなネットワークにおいては,動画像通信に代表されるマルチメディアアプリケーションの生成する大量のトラヒックがUDPによりなんの制御も行なわれないまま転送されるため,輻輳制御を行なうTCPの使用帯域を圧迫し極端な品質劣化を招く. そこで,本稿ではTCPと公平な動画像転送を実現するため,TCP-friendlyの概念を導入したレート制御を対象に,動画像転送への適用可能性や効果的な制御手法について検討した.動画像の品質を保ちつつ,TCPと公平な通信を実現するレート制御を行なうためには,(1)制御間隔を適切に設定し,(2)ネットワークの状態を推測し,(3)TCPのスループットを推定して(4)動画像データの生成レートを調整しなければならない.シミュレーションによる評価により,動画像をRTTの約32倍の制御間隔でTCPの推定レートにあわせてMPEG-2イントラスライス符号化して送出すれば,TCPとの公平性を実現しつつ,高品質な動画像転送が可能であることを明らかにした.
著者
山口 誠 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.670, pp.313-320, 2001-03-09
参考文献数
13
被引用文献数
2

特定多数の受信ノードに対し信頼性を維持しながら同一情報を転送する信頼性マルチキャストでは,一般的にエンド-エンド間での制御によってスループットが最も低い受信ノードに合わせて情報の転送が行われる.最も低い受信ノードにあわせた場合,同一マルチキャストグループに属する他の受信ノードにおいて,自らが受信できる限界よりかなり低いスループットしか得られないという状況が生じる.これは,各受信ノードの輻輳状況が異なることが一般的にみられる,マルチキャスト通信特有の問題である.この観点からみた受信ノード間の公平性は,Intra-session Fairnessと呼ばれる.信頼性マルチキャストにおいて,エンド-エンド間での制御だけでIntra-session Fairnessを実現するのは不可能である.本稿では,Intra-session Fairnessを実現するため,ネットワーク内にサーバを配置しネットワーク支援を通用することによりサーバが独自にダウンリンクに対して輻輳制御を行う方式を提案し,シミュレーションにより評価を行った.
著者
鈴鹿 哲也 国本 雅夫 杉田 直己 清水 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.256, pp.57-62, 1993-09-30

通信制御LSIの動作の解析結果に基づき、高スループット実現のための処理方式を提案する。単位時間当りいくつのパケットを通信できるかという通信制御LSIの性能は「1つのパケットに対する処理の総量」だけでなく、各処理をどのような順序で実行するかという「処理スケジューリング」にも依存することを示す。そして高スループットを実現するための、「情報転送処理と送達確認処理」のスケジューリング方式及び「連続パケット受信時の処理」のスケジューリング方式を提案し、その効果を実測により明らかにする。
著者
斎藤 和義 日高 裕敏 品川 準輝 小林 岳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.193, pp.119-126, 2000-07-12
被引用文献数
2

セルラネットワークを計画・設計・運用する上で、移動通信トラヒック特性の把握は重要である。従来よりトラヒック特性を予測するために移動特性モデルの開発が行われてきた。本報告では、大都市、及び小都市を移動範囲とするタクシーの移動特性をGPSを用いて実測した結果から、仮想的なセルラシステムにおけるセル滞在時間分布、移動方向確率を推定した。また、その推定結果を用いたシミュレーションからセルラシステムにおけるハンドオフ頻度や回線ブロック率等のトラヒック特性を評価した。その結果、大都市と小都市ではセルサイズが小さい場合は特性の差がほとんどないが、セルサイズが大きい場合は平均的な移動範囲の違いから移動方向確率に差が生じることを明らかにした。
著者
若杉 充 北見 徳廣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.266, pp.13-18, 1995-09-28
参考文献数
6
被引用文献数
5

バックプレッシャアルゴリズム(BPアルゴリズム)を入出力バッファ間に適用した内部高速型ATMスイッチでは、HOLブロッキングによりセルバッファサイズが増大してしまう欠点がある。そこで3つのしきい値を用いて入出力バッファ間を制御してセルロス特性の向上を目的としたアルゴリズムを提案する。本制御方式は従来のバックプレッシャ制御方式と比較して、遅延特性を劣化させることなく、廃棄率特性を改善できることをシミュレーションにより明らかにした。特にバーストトラヒック入力時には、大幅にセルバッファサイズを削減できることを明らかにした。また、本方式の3つのしきい値がそれぞれどのようにセルロス特性に影響を与えるかを明らかにした。
著者
島田 佳門 山田 哲靖 中村 亮一 須永 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.61, pp.7-12, 1996-05-24
被引用文献数
1

本稿では、ソフトウェアの再利用と効果的なファイル作成を支援するソフトウエア開発環境について述べる この開発環境は、我々のノンストップサービス拡張型プラットフォームの開発の中で提案されたものである ソフトウェアの再利用性を向上するため、我々のプラットフォームは、基本電話、ISDN、ATM、IN等の種々の通信システムに適用できる。プラットフォーム内のソフトウェア部品も、オブジェクト指向設計手法に基づいて開発されており、簡易に再利用可能である。また、ファイル作成のターンアラウンドタイムを短縮するために、種々のファイル化手法を提案している。これらの部分的ファイル変更手法は、定性的かつ定量的に比較評価する。その結果より、我々のプラットフォームおよびソフトウェア開発環境が有用であることが示される。
著者
西野 正行 河原 秀紀 守屋 有人 加藤 智巳 速水 賀雅 土井 雅之 赤塚 真幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.256, pp.49-55, 1993-09-30
被引用文献数
4

当社で近年導入を進めてきた技術部門での研究開発用FDDI光ネットワークは利用端末台数を始めネットワークの規模としても世界最大規模になった。しかし、ネットワーク構成の見直しを行うなど障害時の影響範囲を最小限に押さえる信頼性向上対策が急務であり、ネットワーク利用時間の24時間化に対応するため、ネットワーク側で通信障害時に自動迂回できる機能を持たせるなどの信頼性向上対策が必要になっている。そこで技術的動向を見据えながら、新しく信頼性の高いネットワーク構成を考案し、その機能確認を行った。本論文では種々の検討項目に対する評価結果および実験結果をまとめ報告する。
著者
金澤 俊之 奥谷 武則 仁佐瀬 剛美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.61, pp.31-36, 1999-05-20

低速度音声を複数チャネル多重して通信するAAL2(AALタイプ2)を用いた大規模網を構成するときにはAAL2SW(AALタイプ2スイッチ)を適用することが望ましい. 一方, AAL2SWの適用に依って生じる遅延, 特に遅延揺らぎが音声品質に悪影響を与える可能性が有る. 本稿では, 音声トラヒックを想定して, AAL2CLADとAAL2SWで生じる遅延揺らぎと, AAL2CLAD・AAL2SWを多段経由したときの遅延揺らぎを, シミュレーションに依り評価した. 想定した遅延揺らぎは, 各装置におけるセル化遅延と送出待ち遅延から成る. その結果, セル化遅延が遅延揺らぎの支配項となる領域での網設計をすれば, 安定した品質を得られるという結果を得た. その網設計のための, 許容廃棄率10^<-3>程度以上の領域に適用できる簡易な帯域設計法や, AAL2SW段数の上限評価法を提案する.
著者
奥谷 武則 藤谷 宏 水野 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.72, pp.13-18, 1993-05-28
被引用文献数
1

既存STM網とATM網とのインタワークを実現する場合、STM多重回線にATMアダプテーション(AAL)処理を適用する必要がある。このような多重された回線にAAL処理をチャネル単位に行う場合、セル組立に要する固定遅延の他に、セルの完成タイミングが重なることによりATM多重回線への送出待ち遅延が生じる。本稿ではこの遅延の発生メカニズムを明確化し、64kb,sのみ場合、送出待ち遅延を完全に0に抑える方法について述べる。次に64kb/s×nのような多元速度が多重された場合について、遅延を縮小化する方法について論じ、最後にシミュレーションにより評価、考察を行 う。
著者
浦田 穣司 水野 修 新津 善弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.510, pp.19-24, 1996-02-16
参考文献数
7
被引用文献数
6

NTTの高度INでは、カスタマの要望に応じた通信サービスを提供するために、SLPを2種類のSLP (SLP(N)とSLP(C))で構成する。この構成において、サービス毎に生成された1つのSLP(N)が、カスタマ毎に生成された複数のSLP(C)と連携して、カスタマに応じた通信サービスを実現する。また、SLP (N)がサービス提供前に生成されるのに対し、SLP(C)はサービスプロビジョニング時に生成される。このためにSLP(N)とSLP(C)間のインタフェースの整合性を保証する手段が必要である。これに対し、最初にSLP(N)-SLP(C)間のインタフェース仕様を規定し、その規定に基づいて各SLPを生成するという方法を提案してきた。本報告では、高度INで提供される通信サービスをモデル化し、そのモデルのもとでSLP(N)-SLP(C)間インタフェース仕様の定義法を明確にする。その結果に基づき、提案するサービス開発の手順及び各SLPの基本構成について示す。
著者
松永 泰義 山森 一人 阿部 亨 堀口 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.674, pp.111-116, 2000-03-09

マルチメディア通信は大きな帯域幅を必要とするため, 限られた帯域を効率よく利用するための帯域制御方式の研究が現在盛んに行われている.我々は, WFQ(Weighted Fair Queuing)法に帯域要求量の最大値と最小値を用いたWFQMM(WFQ with the Maximum and Minimum bandwidth)法による公平な帯域割り当て法を提案した.本稿では, 待ち行列のM / M / sモデルを用いたシミュレーションを行い, WFQMM法の性能について議論した.その結果, 帯域制御を行わない場合に比べて安定した満足度が得られ, 帯域予約開始までの待ち時間を削減できた.また, 詳細なパケット通信シミュレーションにより, WFQMM法を用いて予約を行ったストリームは, 帯域制御を行わずに帯域予約を行った場合に比較してパケットの遅延を小さくすることができた.
著者
朝井 義人 渋沢 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.327, pp.79-84, 1995-10-20

従来、入出力命令を含むプログラムの並列化の際には、入出力命令とその他の命令が分けられ、入出力命付に関しては逐次で実行されていた。そのため並列化の効率が悪くなるという問題があった。本稿ではより多くの並列性を抽出するために、入出力命令を含むプログラムの新たな並列化手法について報告する。この手法は、入出力命令を含まないプログラムの並列化で利用されている最早実行開始条件解析法に、新たに入出力命令間の依存関係としてデバイス依存を導入することにより並列化を行うものである。またこの手法の有効性を示すために、シミュレーションにより従来の手法と本手法の性能比較を行った。その結果、プログラムの大きさ、入出力命令の割合に関係なくデバイス依存を用いた方が効率的に並列化が行われていた。
著者
的場 直人 近藤 靖 田中 利憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.132, pp.1-6, 1997-06-24

無線通信路に適用する低遅延, 高誤り耐性を実現する誤り制御の提案を行なう. ARQを用いると通信路誤りによる大規模な画質劣化をなくすことが可能となるが, 再送による遅延が問題となる. 本検討では画像ブロックのビット数を画像情報に付加して送信し, 画像ブロックの同期はずれによるフレーム内誤り伝搬をこの付加情報により防止し, またフレーム間誤り伝搬をARQの再送制御により参照画像を更新することにより防止する方式を提案した. これによりフレーム内, フレーム間誤り伝搬による画質劣化を抑えつつ, ARQを用いても通信路誤りのない場合と同等の遅延特性が得られることを明らかにした.