著者
高垣 景一 大崎 博之 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.670, pp.451-458, 2001-03-09
被引用文献数
4 1

インターネットでは、TCP (Transmission Control Protocol)においてウィンドウ型のフロー制御方式が用いられている。これまで、さまざまな研究者らによってTCPの解析が行われている。従来の研究では、ネットワークにおけるパケット棄却率を一定と仮定し、この時のTCPの平均的な特性を解析したものがほとんどである。しかし現実のネットワークでは、TCPのウィンドウサイズが変化すれば、それによってネットワークにおけるパケット棄却率は変化する。そこで本稿では、TCPの輻輳制御機構とネットワークをフィードバックシステムとしてモデル化し、TCPの過渡特性を解析する。つまり、TCPはネットワークでのパケット棄却率を入力とし、ウィンドウサイズを出力とするシステムとしてモデル化する。一方、ネットワークはTCPのウィンドウサイズを入力とし、パケット棄却率を出力とする一つのシステムとしてモデル化する。なお、ネットワークは、TCP以外のバックグラウンドトラヒックをも考慮した、待ち行列としてモデル化する。得られたモデルに対して過渡特性解析を行い、バックグラウンドトラヒックの量や、TCPのコネクション数などによって、TCPの過渡特性がどのように変化するかを定量的に明らかにする。

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