- 著者
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筧 一彦
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.103, no.521, pp.67-78, 2003-12-11
人間同士の対話において,言語情報は勿論のこと音声に随伴する感性情報や表情などの感情の知覚も,対話の進行や理解において重要な役割を持っている.本稿は,「声」,「顔」,「ことば」の3つの部分からなっており,それぞれが持つ感性情報について,筆者らが展開して来た研究を感情の表出と知覚という視点から紹介した.「声」については,(1)音声による感情表出の発達を就学前児と就学見の2群に分けて検討した.(2)感皆時報の表出理解に関する言語依存性について目,未見のピカチュウ発話の分析と日,米母語話者の感情認知特性から検討した.(3)モーフィング法を用いて音声感情知覚のカテゴリ性について検討した.「顔」については,顔画像処理技術を用いた表情認知過程とさらにfMRIやERPを用いた表情認知における脳内処理過程の研究を紹介した.「ことば」については,音声の言語情報処理過程と感性情報処理の相互作用を明らかにし,相互作用のモデルについて述べた.