著者
長澤 正氏 椋本 介士 福田 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-9, 1993-01-25
被引用文献数
1

流星が大気圏に突入する際に生ずる電離気体柱により,見通し外の無線通信路が確率的に設定できることが知られ,この通信路を用いて効率良くデータ伝送を行うために多くの伝送制御手順が発表されている.この通信路は任意の2地点間に独立に発生するという特徴をもつので,異なる複数の地点から同一メッセージを一つの局に送信することができ,それにより当該メッセージの受信確率を向上させることができる.この特徴を利用して,受信に成功した局がそのメッセージを他の局に中継送信することにより伝送時間を短縮できると考えられる.しかし,今までこのような中継に関する研究はほとんどされていなかった.そこで本論文ではその一形態として,放送システムにおいて無条件拡散中継方式と呼ぶ中継方式を提案し特性を解析する.この方式では受信に成功した局が無条件に中継放送するという形態がとられる.ここで考察された代表的な数値例の場合,未受信の局が残らない確率が99%以上になる放送時間を,受信局数が2局の場合で約2/3に短縮できることが示され,2局以上では更に短縮でき,20局程度で改善効果が飽和することが示される.また30局程度から逆に悪化することが示される.

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こんな論文どうですか? 中継機能を有する流星バースト放送システム(長澤 正氏ほか),1993 https://t.co/Q3pBSUABo3
こんな論文どうですか? 中継機能を有する流星バースト放送システム,1993 http://ci.nii.ac.jp/naid/110003277691 流星が大気圏に突入する際に生ずる電離気体柱により,見通し外の無線通信路が確率的に設定できることが知られ,この通信路を用いて効率良

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