著者
椋本 介士 福田 明 吉廣 安昭 中野 啓 大市 聡 長澤 正氏 山岸 久雄 佐藤 夏雄 門倉 昭 YANG H YAO M ZHANG S HE G JIN L
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.636, pp.13-18, 2004-01-23
被引用文献数
5

本稿では,筆者らが南極大陸で行っている流星バースト通信実験の内,第43次南極観測隊が行ったデータ伝送実験の概要とその実験結果を報告する。この実験は, MCC社の通信装置を用いて中山(中国)一昭和基地間で行われた。実験結果から,南極域(オーロラ帯)でも,流星バースト通信によるデータ伝送が可能であることが示される。また,この地域では,不定期ではあるが定常的に流星バーストによるものとは異なる伝搬現象が発生し,データ伝送に利用できることが示される。
著者
長澤 正氏 椋本 介士 福田 明 吉廣 安昭 中野 啓 大市 聡 山岸 久雄 佐藤 夏雄 門倉 昭 YANG Huigen YAO Mingwu ZHANG Sen HE Guojing JIN Lijun
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.636, pp.19-24, 2004-01-23
被引用文献数
5

43次南極観測隊により2002年4月から2003年3月にかけて南極域における流星バースト通信路の性質を調査するためにトーン送受信実験が行われた.観測データの解析の結果,南極域に於いても通信に利用可能な流星バースト通信路が発生すること,また16時から24時(UTC)にかけて流星とは異なる伝搬現象が頻繁に現れ,これも通信に利用できる可能性があることが明らかになった.本論文ではトーン実験の結果から南極大陸におけるこれらの見通し外通信路の統計的な性質について報告する.
著者
福田 明 椋本 介士 吉廣 安昭 中野 啓 大市 聡 長澤 正氏 山岸 久雄 佐藤 夏雄 門倉 昭 YANG Huigen YAO Mingwu ZHANG Sen HE Guojing JIN Lijun
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.636, pp.7-12, 2004-01-23
参考文献数
21
被引用文献数
3

筆者らは,流星バースト通信(MBC)の南極地域におけるデータ収集システムとしての性能を探るために, 2001年12月からトーン実験,データ伝送実験と名づけた2種のMBC実験を開始した.無線局は中山(中国),昭和,ドームふじ各基地に置かれている.本稿では,実験の概要と今後の計画を簡単に紹介する.
著者
福田 明 椋本 介士 大市 聡 中野 啓 吉廣 安昭 長澤 正氏 山岸 久雄 佐藤 夏雄 楊 恵根 何 国経 金 力軍
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.199-207, 2007-02-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

本論文では,筆者らが2001年末より2004年末まで,ほぼ3年間にわたって南極大陸で実施した流星バースト通信実験のうち,最終年度(第45次南極地域観測隊)において行ったデータ伝送実験の概要とその実験結果を報告する.実験は,昭和基地(マスタ局)-中山基地(リモート局)間約1400kmで行われ,筆者らが開発した,ソフトウェアモデムによる流星バースト通信システムRANDOMが用いられた.期間を通しての平均スループットは,流星バーストによる伝搬が主である昼間には約1.7 bit/s, オーロラに関係すると思われる非流星伝搬がしばしば発生する夜間には約6.8bit/sであり,全休では約3.4bit/sであった.このように,本システムのデータ伝送能力は,それまでの2年間のデータ伝送実験に用いた米国MCC社製のシステムに比べて非常に高く,この1対1通信路を通して1日当り30キロバイト以上の観測データを伝送できることが分かった.
著者
長澤 正氏 椋本 介士 福田 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-9, 1993-01-25
被引用文献数
1

流星が大気圏に突入する際に生ずる電離気体柱により,見通し外の無線通信路が確率的に設定できることが知られ,この通信路を用いて効率良くデータ伝送を行うために多くの伝送制御手順が発表されている.この通信路は任意の2地点間に独立に発生するという特徴をもつので,異なる複数の地点から同一メッセージを一つの局に送信することができ,それにより当該メッセージの受信確率を向上させることができる.この特徴を利用して,受信に成功した局がそのメッセージを他の局に中継送信することにより伝送時間を短縮できると考えられる.しかし,今までこのような中継に関する研究はほとんどされていなかった.そこで本論文ではその一形態として,放送システムにおいて無条件拡散中継方式と呼ぶ中継方式を提案し特性を解析する.この方式では受信に成功した局が無条件に中継放送するという形態がとられる.ここで考察された代表的な数値例の場合,未受信の局が残らない確率が99%以上になる放送時間を,受信局数が2局の場合で約2/3に短縮できることが示され,2局以上では更に短縮でき,20局程度で改善効果が飽和することが示される.また30局程度から逆に悪化することが示される.
著者
長澤 正氏
出版者
沼津工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

流星バースト通信(MBC)は、流星が大気に突入する際に残す電離気体柱を電波の反射体として利用し見通し外通信を実現する通信方法である。小容量の通信路であるが衛星を使ったシステムに比べ安価に実現できることことから、広範囲にわたる気象データの収集などに利用されている。本研究ではMBCの最も有効な応用分野であるデータ収集ネットワークシステムのプロトコルについて過去に提案された方式の数学的なモデルによる解析および新たな方式の提案を行った。研究は静岡大学が運用する流星バースト通信実験システムRANDOMでの通信路の観測および通信路のシミュレーション装置によって行われ、本補助金は主に観測実験の旅費およびシミュレーション装置の構築に充当した。研究初年度には流星バーストによるデータ収集プロトコルの各種方式の分類、比較等をまとめて電子情報通信学会論文誌に発表した。その論文ではグループポーリング方式のグループ再編方式が実用に際して有効であることが理論的に述べられている。また、新たに主局の送信電力を変化させて効率を上げる電力変化法を提案している。電力変化法の有効性を理論面から解析するためには、従来用いていた通信路の数学モデルを見なおす必要があった。そこで、研究2年度には数回の観測実験を行い、電力変化法の解析に必要な通信路の数学的なモデルを得た。研究3年度には、これらの成果を「流星バースト通信におけるプローブ電力と通信路特性の関係」として電子情報通信学会論文誌に発表した。また、1998年11月に33年ぶりの大出現が予測された獅子座流星群について、流星バースト通信の観点から観測をおこなった。この実験により、MBCにとって特異な状態である流星群出現時においても我々が提唱しているモデルがパラメータの変更のみである程度適用できることが判明した。
著者
長澤 正氏 椋本 介士 福田 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

データ収集網は流星バースト通信に最も適した応用分野で,はやくから検討され,実用化されている.このようなデータ収集システムには種々の通信手段が提案されているが,それらを解析的に比較する研究はなされていなかった.本稿では,実用的ないくつかのポーリング方式について定量的な解析を行い比較を行った.