著者
高橋 周作 疋田 真一 笠井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.684, pp.61-68, 2001-03-14

頭部並進運動時の補償性眼球運動は Linear VOR(LVOR)と呼ばれている。頭部を正弦波状に往復運動させ、空間固定の視標を注視している最中に、この視標を消去し、これを想起させると眼球速度は急速に減少するものの、その速度の緩徐相成分は視標消去後10[sec]以内ではゼロにはならないことが報告されている。本実験の目的は、なぜこのようななめらかな眼球速度が残るのか、またどれくらいの間持続するのかを調べることである。スムーズパシュートのみでターゲットを注視し、これを消去すると、正弦波状の速度波形が見られたが、その速度は20[sec]以内でゼロになった。それに対してLVORでは視線を消去してから45[sec]経過した後でも眼球速度の緩徐相成分が残留することがわかった。この結果からスムーズパシュート系には連続的な運動を記憶する機構が存在するのではないかと考えられる。

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こんな論文どうですか? 並進運動時の補償性眼球運動における視標消去後の速度特性(高橋周作ほか),2001 http://id.CiNii.jp/NxTzL

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