著者
笠井健治 西尾尚倫 下池まゆみ 市川忠
雑誌
第49回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2014-04-29

【はじめに,目的】従来より運動失調症状に対して四肢遠位へ重錘を負荷することで運動の改善が得られることが知られている。その作用機序は固有感覚系からの入力情報の増大とされるが,脳内での反応については明らかになっていない。本研究では近赤外線脳機能イメージング法を用いて重錘負荷が脳血流量変化に及ぼす影響について検討した。【方法】対象者は運動失調患者1名(橋背側海綿状血管腫摘出術後,30歳代女性,SARA9.5点),健常者1名(20歳代男性)であった。課題は両上肢で平行棒を把持した立位で前方の踏み台上へステップ動作を左右交互に繰り返す運動とした。その際,踏み台上面の5cm幅の目印内に足先を収めるように指示した。重錘負荷は0g,500g,1000gの3条件とした。各条件で20秒間の課題と30秒間の休息を6セット繰り返した。計測前に課題練習を行い動作の確認を行った。各条件間で血圧と脈拍を計測し疲労の有無を確認した。課題の成績は各セットでステップが不正確であった割合(以下エラー率)を指標とした。脳血流量変化は光トポグラフィー(日立メディコETG-7100)を用いた。3×5のプローブセットを国際10-05法のC1とC2が,各々左と右のプローブセットの中心に一致するように設定し,運動野と感覚野を中心に左右合計44チャンネルを計測した。ノイズおよびアーチファクトは除外処理を行い,ベースライン補正処理をセット毎に行った。各チャンネルの課題開始5秒から課題終了までの酸素化ヘモグロビン変化量の平均値を算出し(以下oxy-Hb,単位mMmm),脳血流量変化の指標とした。補足運動野および前運動野を反映する領域(以下Pre Motor/Supplmental Motor Area;P/SMA)と体性感覚連合野を反映する領域(以下Somatosensory Association Area;SAA)のoxy-Hbに関して重錘負荷の条件による差を反復測定分散分析およびTukey法を用いて比較した。統計解析はDr.SPSS2を用い,有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当センター倫理委員会の承認(H25-12)を得て,対象者へ十分な説明をし,書面にて同意を得た上で行われた。【結果】課題のエラー率は運動失調患者では条件0gで40.06±12.78%,500gで19.31±12.85%,1000gで33.33±5.97%であった。0gと比較し,500g%では有意にエラー率が減少した(p<0.05)。健常者では0gで4.17±3.03%,500gで5.63±3.02%,1000gで6.46±3.89%であり,有意な差はなかった。oxy-Hbは運動失調患者では右SAAが0gと比較して500gで有意に増加した(p<0.01)。健常者では左P/SMAで500gより1000g,左右のSAAで0gより1000g,500gより1000gで有意に減少した(p<0.05)。【考察】運動失調患者では重錘負荷条件500gで課題成績の改善を認めたが,健常者では重錘負荷による課題成績の差はなかった。これは重錘負荷による運動失調への効果が本研究でも得られたためと考える。小脳失調患者では課題成績の改善が認められた500g重錘負荷時に右SAAのoxy-Hbが増加した。一方,健常者では重錘負荷により左右のSAAのOxy-Hbが減少した。重錘負荷は筋紡錘から小脳への求心性入力を増大させ,小脳は体性感覚入力をもとに運動の誤差を修正する役割を果たす。この脊髄―小脳ループが障害された場合,大脳皮質による代償的な活動が生じることが予測される。本研究においては失調症患者で課題成績に対応して右SAAのoxy-Hbが増大しており,重錘負荷が大脳皮質感覚領野による小脳機能の代償を生じさせたことを示唆するものと考えられた。【理学療法学研究としての意義】重錘負荷練習に対する科学的根拠の一助となる。また,運動失調患者が運動を行う際に脳のどの機能を利用しているのかを知ることにより機能回復を促進するためのストラテジーの開発につながる。
著者
笠井 健治 水田 宗達 清宮 清美 板垣 卓美
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E-134_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに・目的】パーキンソン病(Parkinson's Disease:以下PD)患者の死因の第1位は肺炎であり誤嚥性肺炎の予防は重要である。PD患者の嚥下障害は疾患の進行と必ずとも相関せず、嚥下スクリーニング検査による嚥下障害の検出も難しいとされる。近年、誤嚥のリスクを検出するための咳嗽機能評価が注目されている。本研究の目的はPD患者について嚥下障害に関連するスクリーニング検査結果と咳嗽機能について後方的に検討し、嚥下障害等の関係を明らかにすることである。【方法】対象は当センターにH27年8月からH30年5月までの間に入院したPD患者のうち摂食・嚥下障害看護認定看護師に嚥下機能評価の依頼があり、検査可能であった18名(72.7±4.0歳、男性10名)。評価項目は疾患重症度としてHoehn&Yahr分類とPD統一評価尺度第3部の総合得点(unified Parkinson’s disease rating scale‐Ⅲ:以下UPDRS-Ⅲ)、嚥下スクリーニング検査として反復唾液嚥下テスト、咳嗽機能評価として咳嗽時最大呼気流量(cough peak flow:以下CPF)と咳テスト、呼気機能評価として最長発声持続時間を評価した。誤嚥の発生有無は聖隷式嚥下質問紙のA項目に1項目以上該当する場合もしくは嚥下造影検査において嚥下障害が確認された場合に嚥下障害ありと判断した。嚥下障害あり群となし群に大別し各評価項目における群間の差の検定を行った。連続変数に対しては対応のないt検定もしくはMann-Whitney検定を用い、他の変数はχ2検定を用い、有意水準は5%とした。【結果】嚥下障害あり群は7名、なし群は11名で群間比較ではCPFのみ有意な差を認めた(あり群218.6±115.0m/s、なし群368.2±127.0m/s、p=0.023)。またCPFはUPDRS-Ⅲ(r=-0.67、p=0.04)、最長発声持続時間(r=0.57、p=0.02)と有意な相関を認めた。【考察】嚥下障害を有する群では有意にCPFが低下し、CPFは疾患重症度および呼気機能と有意に相関していた。このことから、PDでは重度化とともに咳嗽機能が低下しやすく、咳嗽機能には呼気機能が影響すると考えられた。したがってPD患者の嚥下障害に対する理学療法においては咳嗽機能を改善することが重要であり、呼気機能を改善するアプローチの重要性が示唆された。【倫理的配慮,説明と同意】研究参加者には入院時に臨床において得られた情報が後方視的に学術目的に用いられることについて口頭および書面にて説明し、同意を得られた場合にのみ同意書への署名を依頼した。また、本研究は埼玉県総合リハビリテーションセンター倫理員会の承認(H30-002)を得ている。
著者
笠井 健
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.760-771, 1980-08-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
54
著者
笠井 健吉 杉本 正仁 豊田 裕
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.885-890, 1979
被引用文献数
1

体外受精卵の移植によって得られた雌および雄マウスの繁殖能力について検討した.PMSG及びhCG(各5iu)を投与して過排卵を誘起したF<sub>1</sub>(C3H/He&times;C57BL/6J-at/at)成熟雌マウスを卵子提供雌とし,一方,精子提供雄としては,JCL:ICR系成熟雄マウスを用いて体外受精を行った.授精後6時間に第2極体放出の有無で判定した受精率は,80.9%(418/517)であった.培養した受精卵405個のうち受精後24時間で2細胞,48時間で4-8細胞及び~2時間で桑実胚あるいは初期胚盤胞へ発生したものはそれぞれ,99.8%,97.5%,及び97.0%であった.体外培養によって得られた桑実胚及び初期胚盤胞245個を21匹の偽妊娠雌マウスの子宮へ移植した結果,雄29匹及び雌23匹の合計52匹の新生子が得られた.生後3週で離乳した後に,7匹の雌とその同腹子の雄を選び2~3か月齢できようだい交配を行った.7匹の雌マウスのすべてが妊娠し,雄37匹及び雌41匹の健康な新生子が得られた.外形異常は認められず,3週齢での雄,雌の平均体重はそれぞれ,12.2&plusmn;2.7g及び12.3&plusmn;1.7g(Mean&plusmn;S.D.)で対照区と差のない成績であった.本研究の結果から,体外受精卵の移植によって得られた子の成熟後の交配,妊娠,分娩及び哺乳に関する一連の繁殖能力は正常であることが明らかにされた.
著者
笠井 健
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.683, pp.237-246, 2013-01-30 (Released:2013-05-30)

This study, focusing on the urban space of the old Beijing city which is a legacy of the pre-modern period, deals with the development of its modern commercial district and historical evolution of town houses. The results are as follows.The commercial district reflected the social background and urban structure of the pre-modern period, and the evolution of the town houses reflected the land use and site conditions of the commercial district. This evolution could be seen in their facades and spatial compositions. For example, there were Chinese Baroque and Art deco style facades. With regards to spatial composition, multi-storey buildings, atriums, and staircases for each story were used to ensure effective use of the land. By applying these three construction methods, new commercial facilities were also constructed.
著者
笠井 健 高村 雅彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.651, pp.1279-1286, 2010-05-30 (Released:2010-07-26)

This study deals with building types and spatial composition of town houses in the old Beijing city. The author's own field measurement results indicate that there are two types of buildings. By studying the urban structure (such as the skeleton of streets, block composition and subdivision) and various other social considerations (including the population, real estate activity, and house tax), and by using documentary and pictorial sources, the author concludes as follows.The first is a town house with posteriorly continuous ridges, built in dense commercial areas of small blocks. The second is a town house which also spreads back, but with courtyards in the middle. This courtyard-style was built in commercial areas with bigger blocks, facing onto arterial streets. In both cases, town houses, due to the location, expanded their shop area and created diverse spatial compositions. This study also shows that the first type originated with squatters taking over streets.
著者
疋田 真一 笠井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. D-II (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1114-1123, 2002-06-01
参考文献数
16
被引用文献数
3

視覚目標注視中に頭部が左右に運動すると,前庭性の補償性眼球運動(LVOR)に続いて視覚による追従性眼球運動(パシュート)が起こり,視覚の安定化が図られる,これら二つの眼球運動系の相互干渉の機構を明らかにするため,頭を突然左右に加速する刺激を与え,視覚目標ありの場合と消えた目標を想起したときのLVORの速度,及び頭を静止させ目標のみを動かしたときのパシュート速度を調べた.LVORの潜時はパシュートに比べて有意に短く,目標の有無はLVORの潜時に影響を与えなかった.しかしながら,パシュート系が働き始める時刻以降は,視覚のフィードバックによりLVORの速度に大きな違い(視覚目標あり>目標想起)が現れた.並進運動中のゲイン(眼球速度/目標の相対速度)は,視覚目標ありのLVORが最も大きく,パシュート,目標想起のLVORの順に小さくなった一また,頭の運動開始直後の時間帯(〜216ms)について,目標を想起したときのLVORとパシュート速度の和は,目標ありのLVORの速度にほぼ一致した.これらの知見は,otolith系とパシュート系のそれぞれの中枢で生成された信号が重畳されて最終的な眼球運動指令がつくられていることを示唆する.
著者
疋田 真一 長田 俊治 笠井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.387, pp.13-16, 2002-10-11

頭部直線運動時には前庭性(LVOR)および視覚性眼球運動が同時に働くことにより視覚の安定が維持される.耳石器官の信号と視覚情報の相互作用のしくみを解明するため,視覚入力としてLVORの働く向きと逆方向へ移動する目標が与えられたとき,および暗闇の中で移動目標を想起したときの眼球運動速度を調べた.その結果,視覚入力に依存した追跡性の眼球運動が生じること,視覚情報による耳石器官信号の抑制の程度には個人差があることがわかった.また,目標消去後も頭の運動(目標の動き)と同位相の眼球速度成分が観察された.したがって,視覚情報のメモリ効果は耳石器官の信号と同じかそれを上回るものだと考えられる.
著者
笠井 健治 西尾 尚倫 下池 まゆみ 市川 忠
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100167-48100167, 2013

【目的】近年、認知課題と運動課題を含む二重課題について多くの報告がなされている。しかし、二重課題が学習に与える影響についての報告は少ない。本研究では二重課題(以下DT)が学習に与える影響を脳血流量変化を用いて検討した。【方法】認知課題(A)は30 秒間のストループテストの読み上げ3 回、運動課題(B)はクッション(酒井医療AMB-Elite)上での片脚立位保持とした。対象者はストループテストの経験のない健常な成人男性12 名とし、AとBを同時に行うDT群6 名(36.5 ± 9.42 歳)と、安楽立位でAのみを行うST群6 名(35.8 ± 10.23 歳)を設定した。研究デザインはAを繰り返し3 セット行うこととし、DT群では2 セット目を二重課題とするA-AB-Aデザイン、ST群では全て単一課題のAを行うA-A-Aデザインとした。脳血流量変化は光トポグラフィー(日立メディコETG-7100)を用い前頭前野を対象に合計48chを計測した。ストループテスト実施時の酸素化ヘモグロビン変化量(以下Oxy-Hb、単位mMmm)をベースライン補正後に加算平均処理し、プローブセット背外側に位置する4 個のchのOxy-Hbの平均を前頭前野背外側(以下DLPFC)、内側10 個のchのOxy-Hb の平均を前頭前野内側(以下MPFC)として算出した。また、両群とも課題に対する反応関連性の高いチャンネルの数をROI(region of interest)解析(r>0.7)で求めた。学習の効果判定は、両群とも1 セット目と3 セット目で以下の項目を比較した。脳血流量変化の評価としてDLPFCとMPFCのOxy-Hbと、ROI解析により求められたチャンネルの数を比較した。また、パフォーマンスの評価としてストループテストの正答数の平均(以下Score)を比較し、学習の根拠とした。統計処理はDr.SPSS2 を用いて対応のあるt検定を行った。有意水準は5%とした。【倫理的配慮】本研究は当センター倫理委員会の承認(承認番号H24-14)を得て、対象者へ十分な説明をし、同意を得た上で行われた。【結果】Oxy-HbはDT群で1 セット目の右DLPFC 0.12 ± 0.146、左DLPFC 0.16 ± 0.113、右MPFC 0.13 ± 0.061、左MPFC 0.13 ± 0.057、3 セット目では右DLPFC 0.16 ± 0.096、左DLPFC 0.08 ± 0.117、右MPFC 0.04 ± 0.045、左MPFC 0.04 ± 0.042 となり、両側MPFCで有意にOxy-Hbが減少した(p<0.05)。ST群では1 セット目は右DLPFC 0.21 ± 0.206、左DLPFC 0.28 ± 0.152、右MPFC 0.05±0.146、左MPFC 0.35±0.142、3セット目では右DLPFC 0.10±0.198、左DLPFC 0.19±0.187、右MPFC 0.003 ± 0.140、左MPFC-0.03 ± 0.184 となり、ST群では右DLPFCで有意にOxy-Hbが減少した(p<0.05)。ROI解析で関連性を認めたchの数はDT群で1 セット目11 個、3 セット目21 個、ST群で1 セット目14 個、3 セット目5 個であった。ScoreはDT群で1 セット目47.9 ± 14.95、3 セット目51.4 ± 14.00、ST群で1 セット目45.1 ± 9.31、3 セット目49.1 ± 11.02 であり、DT群のみ3 セット目で有意に増加した(p<0.01)。【考察】先行研究で、学習が進むと課題遂行に必要な局所の脳血流量は保たれたまま、活動領域が縮小すると報告されている。またストループ課題遂行時には左DLPFCが賦活するとされている。本研究でもDT群では課題遂行に関連が少ない両側MDPFCで有意にOxy-Hbが減少し、ストループ課題遂行に必要な左DLPFCのOxy-Hbは保たれていた。また、ROI解析では課題に関連して反応するChが増加していた。これらは課題に対する学習が生じ、脳活動が効率化したことによる脳血流の変化と考えられた。また、パフォーマンスとしてのScoreが改善したことはDT群において学習が生じたことを裏付けるものと考えられた。一方でST群では同様の脳血流変化は少なく、有意なパフォーマンスの改善も得られなかった。つまり、二重課題トレーニングは単純課題トレーニングと比較し、学習効率に優れるトレーニング法であることが脳血流量変化から示唆された。【理学療法学研究としての意義】二重課題トレーニングは単一課題と比較して学習効果の高い方法である可能性が示唆された。臨床における理学療法の介入手段として、二重課題トレーニングを選択する際の根拠の一つになると考える。
著者
高橋 周作 疋田 真一 笠井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.684, pp.61-68, 2001-03-14

頭部並進運動時の補償性眼球運動は Linear VOR(LVOR)と呼ばれている。頭部を正弦波状に往復運動させ、空間固定の視標を注視している最中に、この視標を消去し、これを想起させると眼球速度は急速に減少するものの、その速度の緩徐相成分は視標消去後10[sec]以内ではゼロにはならないことが報告されている。本実験の目的は、なぜこのようななめらかな眼球速度が残るのか、またどれくらいの間持続するのかを調べることである。スムーズパシュートのみでターゲットを注視し、これを消去すると、正弦波状の速度波形が見られたが、その速度は20[sec]以内でゼロになった。それに対してLVORでは視線を消去してから45[sec]経過した後でも眼球速度の緩徐相成分が残留することがわかった。この結果からスムーズパシュート系には連続的な運動を記憶する機構が存在するのではないかと考えられる。
著者
笠井 健吉
出版者
香川高等専門学校
雑誌
詫間電波工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:03882926)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.5-9, 2004-06-30

In the journal of "Chemistry and Education", we can see a mathematically simple and clear derivation-method of van't Hoffs Equation about the osmotic pressure. That is, from the relation of h=h' obtained mechanically, (Po-P)/dv=II/dl results in, then II=CRT is derived. But standing on the thermodynamical logic, we can not recognize the logic of derivation true. That is, the derivation-method depends on the mechanical logic only. Then in this paper, we will show that van't Hoffs Equation can not be derived without the thermodynamical logic, and that from the thermodynamical relation of (Po-P)/dv=II/dl, II=CRT and the mechanical relation of h=h' are derived against the journal's article. Furthermore, we will show that in this phenomenon, thermodynamical free energy is converted to gravitational one.