- 著者
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河内 恵
多田 充
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.104, no.53, pp.7-13, 2004-05-12
異なる法を利用した多重署名方式は現在までに数多く提案されている.FDH構造をベースにした方式は見富らやShachamらによって提案され,PSS構造をベースにした方式は河内らや駒野らによって提案されている.FDHをベースにした方式は,前署名者の署名成分をハツシュ値の中に全て埋め込める利点が存在するが,乱数成分を用いない為帰着効率が悪い.その為鍵長を長く取らねばならないという欠点が存在する.一方,PSSをベースにした方式は,乱数成分の必要性から埋め込めない前署名者の署名成分が発生してしまうが,帰着効率が優れているため,鍵長を短く抑えられるという利点が存在する.現在,PSSをベースにした方式において,安全性を劣化させることなく効率性に秀でた方式は駒野らによる方式である.そこで我々は,PFDHをベースとした多重署名方式を提案する.本稿では,駒野らの方式と提案方式とを安全性及び効率性の観点から比較,そして考察を行い,何れの方式が優れているか議論を行う.