著者
古家 賢一 片岡 章俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.1089-1099, 2005-10-01
被引用文献数
8

マイクロホンから離れた位置の音声を収音する場合, 部屋の残響により収音された音声が劣化する. この問題に対して従来, MINT法では残響抑圧のための逆フィルタ計算に事前のインパルス応答の測定が必要であり, 実用的ではなかった. 本論文では, 事前のインパルス応答測定を必要としないチャネル間相関行列と白色化フィルタを用いて残響抑圧を行うSemi-blind-MINT法を提案する. 提案手法では, 最も音源に近いマイクロホンのみを既知とし, 室内インパルス応答の事前測定の代わりに各マイクロホン入力間の相関行列を用いて逆フィルタ計算を可能とする. また, 音源信号が有色信号である音声のため性能が低下する点を, 収音された音に音声の平均スペクトルの逆特性をもつ白色化フィルタを用いることにより改善を図った. 実際の部屋において実験を行い, その結果, 提案手法では7dBの残響抑圧効果が確認でき, また, 遅延和アレー法による残響抑圧に比べても4dBの改善効果があった.

言及状況

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こんな論文どうですか? チャネル間相関行列と音声の白色化フィルタを用いたSemi-blind残響抑圧(電気音響, 音響一般)(古家賢一ほか),2005 http://id.CiNii.jp/N4JWL

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