著者
奥山 康男 坂本 和義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.511-518, 2005-04-01
被引用文献数
3

本論文では, 医療事故(エラー)要因とその対策項目を簡便に導出する方法を提案している.某病院放射線科で発生した1年間のエラーデータを用いて, 人間(医療技術者と患者)のエラーと機械(放射線機器)のエラーとに分類した結果, 99%が人間によって起因していた.医療におけるエラーは, 患者の生命に直接影響を及ぼすため責任の在り方を厳しく問われる.そのためエラー報告は当事者の心理面に大きく関与し虚偽報告されることが多く, いまだに確立された解析法が公表されていない.本研究は, AHP(階層分析法)を用いてエラー要因のウェイト並びに整合度を求めるとともに失敗因子の分析法について考察した.その結果, エラーは医療技術者の知識不足と錯誤による要因が高いウェイトを示し, 技術者の再教育を行うことが約50%のウェイトで必要であることを認めた.更に, エラー発生に伴う損益とエラー回避させるために必要となる費用との比率(損益対費用効果)を求めた結果, 技術者に対する再教育投資のウェイトがエラーを回避するために有効であり, 経済的見地からも本研究の分析法が有用であることを示した.

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こんな論文どうですか? 医療における安全確保のための失敗因子分析法に関する研究(奥山 康男ほか),2005 https://t.co/d8WQdeV4Oq 本論文では, 医療事故(エラー)要因とその対策項目を簡便に導出する方法を提案している.某病院…
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こんな論文どうですか? 医療における安全確保のための失敗因子分析法に関する研究(信頼性, 保全性, 安全性)(奥山 康男ほか),2005 https://t.co/5euTZPrND5
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