著者
奥山 康男 坂本 和義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.511-518, 2005-04-01
被引用文献数
3

本論文では, 医療事故(エラー)要因とその対策項目を簡便に導出する方法を提案している.某病院放射線科で発生した1年間のエラーデータを用いて, 人間(医療技術者と患者)のエラーと機械(放射線機器)のエラーとに分類した結果, 99%が人間によって起因していた.医療におけるエラーは, 患者の生命に直接影響を及ぼすため責任の在り方を厳しく問われる.そのためエラー報告は当事者の心理面に大きく関与し虚偽報告されることが多く, いまだに確立された解析法が公表されていない.本研究は, AHP(階層分析法)を用いてエラー要因のウェイト並びに整合度を求めるとともに失敗因子の分析法について考察した.その結果, エラーは医療技術者の知識不足と錯誤による要因が高いウェイトを示し, 技術者の再教育を行うことが約50%のウェイトで必要であることを認めた.更に, エラー発生に伴う損益とエラー回避させるために必要となる費用との比率(損益対費用効果)を求めた結果, 技術者に対する再教育投資のウェイトがエラーを回避するために有効であり, 経済的見地からも本研究の分析法が有用であることを示した.
著者
広内 哲夫 坂本 和義
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 = Information and Communication Studies (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.159-177, 1997-01-01

Young-Helmholzの3色説とHeringの反対色説を融合した段階説の数理モデルを構築することを試みた。色光の混合におけるGrassmanの第3法則を3色説と反対色説に適用して、3色説の3原色と反対色説の6基本色を相互に変換する混色式/脱混色式の導出した。この式を利用することによって、NCSと類似の表色系をコンピュータ画面上に容易に作成することが可能となった。また、反対色応答の機構を数学的に説明することも出来た。\nAn attempt has been made with construction of a mathematical model of the stage theory obtained by merging Young-Helm-holz's trichromatic theory and Hering's opponent colors theory. By applying Grassman's 3rd Law in the mixture of color lights to the trichromatic theory and opponent colors theory, introduction has been made with mixed color equation / de-mixed color equation with which 3 primary colors of the trichromatic theory and 6 fundamental colors of the opponent colors theory are interchangeable. Utilization of this equation has made it possible to form very easily the color order system similar to NCS on a computer screen. On the other hand, a mathematical explanation has been possible with the structure of the chromatic response.