著者
高田 義広 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.646-655, 1994-09-25
被引用文献数
6

ソフトウェア開発管理の観点から,プログラマの能力を客観的,正確,かつ,容易に測定する方法が要求されている.この問題に対して,本論文ではキーストロークからプログラマのデバッグ能力を測定する方法を提案する.ここで言うデバッグ能力とは,ソフトウェア故障を発見してからその原因を修正するまでの時間的効率である.提案する方法では,まず,キーストロークを監視して,各時刻のプログラマの活動を分類する.次に,得られた活動系列にプログラマモデルを適合させることによって,プログラマの特徴を表すパラメータを抽出する.このプログラマは,活動系列をマルコフ過程とみなして定義した.最後に,それらパラメータからデバッグ能力の評価値を算出する.主な評価値は,1個の欠陥の修正に要する時間の推定値Dである.適用実験の結果から,本方法が実際のソフトウェア開発において有効に働くことがわかった.特に,生産性に関する尺度(共通な仕様に対するプログラムの作成時間)とDとの間に強い相関が見出せた.

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