著者
芳村 毅 工藤 勲
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.185-193, 2003-03-05
被引用文献数
2

河川から噴火湾への栄養塩負荷量を明らかにするために,噴火湾に流人する8河川および発電所排水路1か所において,流量および栄養塩濃度を一年にわたり観測した。その結果,河川流量は雪解け時の4月に特異的に高い明瞭な季節変化を示した。また,河川水中の栄養塩濃度は河川によって大きく異なったが,全河川の加重平均濃度は硝酸塩が24μM,アンモニウム塩が2.9μM,リン酸塩が0.30μM,ケイ酸塩が270μMであり. DIN:DIP比が非常に高いことが明らかとなった。河川から噴火湾への一年間の淡水負荷量は2.1×10^9m^3であり,溶存無機窒素,リン酸塩,ケイ酸塩負荷量はそれぞれ57×l0^6mol,0.6.3×10^6mol. 570x10^6molだった。これらの栄養塩負荷量が噴火湾の基礎生産に与える影響は総生産を考慮した場合は非常に小さなものだった。しかしながら,新生産を夏期のリン酸塩の減少量から見積もった結果,河川由来の栄養塩が噴火湾の夏期の新生産の最大10%を支えていることが明らかとなった。

言及状況

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こんな論文どうですか? 噴火湾における河川からの栄養塩負荷量およびそれらが湾内の基礎生産に与える影響(芳村 毅ほか),2003 http://id.CiNii.jp/N5uXL

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