- 著者
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角皆 静男
- 出版者
- 日本海洋学会
- 雑誌
- 海の研究 (ISSN:09168362)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.6, pp.651-653, 2002-11-05
- 被引用文献数
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4
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川口ら(2002)は,有明海における2000年のノリ不作の原因を珪藻が栄養塩を枯渇させてしまったせいと突きとめながら,溶存無機窒素(DIN)減少の理由を有明海内にだけ求めたため,説得力のある説明ができなかった。角皆(1979)のケイ素仮説を用いるとこれが簡単に説明できる。この年は高温・多雨だったので,雲仙普賢岳の噴火による火山灰から溶け出した効果も加わって,多量の溶存ケイ酸塩が海に流れ込み,珪藻が異常増殖し,ノリにいくべき栄養塩を使ってしまったとなる。