- 著者
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ピパタナウオン ナロンチャイ
藤重 宣昭
山根 健治
居城 幸夫
尾形 亮輔
- 出版者
- 日本熱帯農業学会
- 雑誌
- 熱帯農業 (ISSN:00215260)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.3, pp.101-105, 1996-09-01
- 参考文献数
- 23
中性イチゴは生育期を通して連続的に開花するため, ランナー生産性は低い.中性イチゴのランナー生産を改善することを目的として, GA_3,BAおよびGA_3+BA葉面散布処理並びに施肥量が3つの品種('サマーベリー', 'みよし'および'円雷')のランナー生産, 開花および生長パラメータに及ぼす影響について検討した.50ppmGA_3,50ppmBAおよび50ppmGA_3+50ppmBA処理によって'みよし'のランナー生産が2から3倍に有意に促進された.GA_3およびGA_3+BA処理により'円雷'および'サマーベリー'のランナー生産がそれぞれ約8および4倍に増加した.葉柄長は'みよし'と'円雷'ではGA_3処理により, 'サマーベリー'ではすべての散布処理により増加した.葉数は'みよし'においてはGA_3処理, 'サマーベリー'ではBA処理により増加した.花序数と葉面積はすべての散布処理によって増加しなかった.2週間ごとの1植物体当たり100mgのCDU化成(NPK(15-15-15))施用は50mgの施用よりも3品種の花序生産, 生長パラメータおよび植物体重を増加させた.また, '円雷'のランナー生産を有意に促進した.生長調節物質処理と施肥量によってランナー生産を改善しうるが, 品種によって反応の異なることが示唆された.これらの結果は熱帯におけるイチゴの栄養繁殖の問題に対しても示唆を与えると考えられる.