- 著者
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岩佐 光啓
- 出版者
- 日本衛生動物学会
- 雑誌
- 衛生動物 (ISSN:04247086)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.1, pp.33-39, 1998
- 被引用文献数
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5
日本産チーズバエ科(Family Piophilidae)のハエについては, 福原(1965)が2種, Piophila casei (Linnaeus)チーズバエおよびProtopiophila latipes (Meigen)チビチーズバエを記録して以来, 分類学的研究はなされていなかった。本報告では, いままで記録されていた2種に加えて次の日本新記録3種を見出した;Protopiophila contecta (Walker)ミナミチーズバエ(新称), Liopiophila varipes (Meigen)ケブカチーズバエ(新称), Stearibia nigriceps (Meigen)クロチーズバエ(新称)。これにより日本産の種は5種となり, これらの種の特徴を示した図とともに再記載を行い, 検索表を付した。本科の成虫は, 野外で腐肉によく集まり, 幼虫は, 人を含む動物の死骸, 骨(骨髄)を好む死肉・腐肉食性の種が多い。とくにPiophila casei (Linnaeus)チーズバエは, 人類親和性で, 肉製品, 魚, チーズ, 毛皮などに発生することが知られている。