著者
石井 求
出版者
土質工学会
雑誌
土質工学会論文報告集
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, 1978

堆積盆地における地盤沈下は汎世界的にみられる現象であるが, なかでも東京の下町低地は地盤沈下の発祥の地といわれ, これまでにも多くの調査・研究が行われている。しかし, 近年, 地盤沈下対策による地下水の揚水規制が実施され, 地下水位の上昇に伴って地盤沈下も急速に停止する傾向にある。本報告は, このような地下水位の変化, 地盤沈下状況の推移について, 観測井による実測記録を中心に解析した結果を記述した。解析結果を述べる前に, 当地域における地盤沈下研究の概要, 地質と地下水の賦存状況について記述した後, (1)東京都内の地下水の概況について述べ, 地下水の揚水量と地下水位の変化を経年的に示し, また実測記録に基づく両者の相関関係は極めて高いことを示した。(2)地盤沈下地域における被圧地下水の水質から水循環の機構を検討し, 地下水位の低下期における地下水の起源に間隙水が大きな役割を果たしていること, (3)地盤沈下状況の経過を経時的に平面図で示し, 特に水溶性天然ガスの採取を沖積低地南部における地盤沈下の関係, 揚水規制と地層の収縮, 膨張の関係等について述べた。

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編集者: X-enon147
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