著者
遠藤 毅 石井 求
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.111-120, 1984-09-30 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18
被引用文献数
2 5

The plain area in the east part of Tokyo, Musashino Terrace and Shitamachi Lowland, is underlain by Quaternary thick sediments. These sediments are divided stratigraphically into two groups, the lower is the Kitatama Formation and the upper the Tokyo Formation. The general strike of the Formations tends NNWSSE with a very low dip to the northeast. Upper layers of the Tokyo Formation are mainly composed of silt, sand and gravel, forming the aquifer system of artesian groundwater. According to the distribution of Tritium ratio in the groundwater, which of Musashino Terrace has mainly supplied from the surface water of the Tama River.Withdrawal groundwater from these aquifers has caused the lowering of groundwater level and the land subsidence all over the plain. The lowering of groundwater level and the land subsidence, however, which have continued half a century, rapidly taken favorable turns during recent about ten years due to restrictions of groundwater withdrawal.Recovering of groundwater level has not only brought about the favorable turn of the land subsidence, but also decreasing the spout of oxygen deficient air through water wells and the cracks of basements at the time of air pressure change or pnuematic work in the underground. It also has advanced the secondary storage of natural water soluble gas, which has reserved originally in the deep layers, the Kazusa Group, into gravel layers beneath the Yurakucho Formation.
著者
石井 求 斎藤 量 遠藤 毅 山田 信幸 川合 将文 佐藤 安男
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, 1982-12-15

昭和53年の東京23区全域と多摩地区における地盤沈下を報告している。23区の地盤沈下はほぼ全域に認められ, 江東区新砂, 足立区入谷町, 板橋区赤塚の付近で約3cm沈下し, その他の地域は3cm以下である。一方, わずかな量であるが隆起している地域もある。23区の最大沈下量は足立区入谷町の3.92cm, 最大隆起量は江戸川区守喜田町の0.88cmである。低地にみられる地盤沈下の状況を深さ別にみると, 浅層は依然として収縮が続いている。また深層は昭和49年ごろから全般的に膨張の傾向にあったが, 昭和53年は荒川河口付近のみ膨張傾向にあり, その他の地域では収縮傾向へと変わった。多摩地区の地盤沈下はぼ全域に認められ, 保谷市中町, 東村山市恩多町付近で約3cm, 清瀬市の東部で3〜6cm沈下している。その他の地域の沈下量は3cm以下である。清瀬市下清戸二丁目付近の沈下量は5.59cmで都内で最大値である。一方, 羽村町の西部では0〜0.13cm隆起している。地下水位は, 23区の一部で低下しているが, 全体として0.04〜4.57m上昇している。多摩地区は一部を除いて, 0.03〜3.53m低下している。
著者
石井 求
出版者
土質工学会
雑誌
土質工学会論文報告集
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, 1978

堆積盆地における地盤沈下は汎世界的にみられる現象であるが, なかでも東京の下町低地は地盤沈下の発祥の地といわれ, これまでにも多くの調査・研究が行われている。しかし, 近年, 地盤沈下対策による地下水の揚水規制が実施され, 地下水位の上昇に伴って地盤沈下も急速に停止する傾向にある。本報告は, このような地下水位の変化, 地盤沈下状況の推移について, 観測井による実測記録を中心に解析した結果を記述した。解析結果を述べる前に, 当地域における地盤沈下研究の概要, 地質と地下水の賦存状況について記述した後, (1)東京都内の地下水の概況について述べ, 地下水の揚水量と地下水位の変化を経年的に示し, また実測記録に基づく両者の相関関係は極めて高いことを示した。(2)地盤沈下地域における被圧地下水の水質から水循環の機構を検討し, 地下水位の低下期における地下水の起源に間隙水が大きな役割を果たしていること, (3)地盤沈下状況の経過を経時的に平面図で示し, 特に水溶性天然ガスの採取を沖積低地南部における地盤沈下の関係, 揚水規制と地層の収縮, 膨張の関係等について述べた。