著者
野村 絋一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.185-190, 1997-03-25
被引用文献数
2

犬の脱落膜腫は, 間質細胞性ではなく子宮腺増殖型であることがこれまでのわれわれの報告で明らかになった. 犬の脱落膜腫もげっ歯類の間質細胞性脱落膜腫と同様に黄体依存性かどうかを確かめるために色々な時期の犬子宮について, 脱落膜腫の誘発が可能かどうか, また, 犬の分娩修復期早期の子宮に出現すると報告されているげっ歯類と同様な間質細胞性のいわゆる脱落膜細胞は刺激に対して反応するかどうかを確かめた. その結果は, 機能的黄体の存在する発情休止期初期から中期にかけての時期では脱落膜腫は高率に発生するが, 発情休止期後期では発生しなかった. また, 犬の脱落膜腫は妊娠した場合でもしなかった場合でもその大きさには変わりがなかったが, 同じ機能黄体存在下でもすでに妊娠が進行している子宮角内ではもはや新たな人工的刺激を受け入れないことが判明した. 一方, げっ歯類の脱落膜腫細胞に類似するとされている間質細胞性脱落膜細胞の出現する分娩後修復期早期では, げっ歯類でみられる様ないわゆる間質細胞増殖性の脱落膜腫は形成されなかった. 以上のことから犬でも脱落膜腫の誘起には子宮内膜が機能黄体の感作を受けていることが必要であるが, 一旦妊娠が成立した場合は, 同側の子宮角には新たな脱落膜腫は誘起されないこと, 更に, 分娩後に出現する犬脱落膜細胞は刺激に対して増殖しないことが示された.

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こんな論文どうですか? 各種黄体存在下における犬脱落膿腫誘起の試み(野村 絋一),1997 http://t.co/arDdV7YZEe 犬の脱落膜腫は, 間質細胞性ではなく子宮腺…

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