著者
清水 俊夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.p807-811, 1993-10
被引用文献数
6

徳島保健所管内の砂場のToxocara属虫卵による汚染状況を把握するために46力所を調査したところ, 29力所(63.3%)から虫卵が検出された. 公園や住宅団地内の遊び場の砂場(87.5%)が, 幼稚園や学校, 児童館等の施設に付属する砂場(36.4%)より明らかに汚染率が高かった. また, その内5力所の砂場について, 1990年5月から1991年4月の間に汚染状況の季節的変化を調査したところ, 3〜6月の春から初夏にかけてと, 9〜11月の秋季に陽性率が高く, 7・8月の夏季及び12〜2月の冬季に低下し, 7・8月には検出される虫卵数も明らかに減少した. 砂場の一つから回収した虫卵を走査電子顕微鏡で観察したところ, 犬蛔虫卵と猫蛔虫卵の比は2:3であった. また, 5-6力月未満の144頭の子犬の直腸便を調査したところ, 98頭(68.0%)が犬蛔虫卵陽性であった. この調査から当保健所管内の砂場が幼虫移行症を引き起こす可能性のあるToxocara属虫卵により著しく汚染されていることがわかった. 今後, このような汚染を防止するための対応が必要である.

言及状況

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こんな論文どうですか? 徳島保健所管内の砂場におけるToxocara属虫卵による汚染状況〔英文〕(清水 俊夫),1993 https://t.co/8ZOzpqYx62 徳島保健所管内の砂場のToxocara属虫卵による汚染状況を把握するために46…

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