著者
尾村 嘉昭 福本 幸夫 大滝 一夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.23-30, 1983-02-25

35頭のニホンジカについて血液培養により染色体検査を試みたところ, 個体によって65, 66, 67, 68と染色体数に変異があった. この染色体の変異は, 常染色体中における大型のメタセントリック(M)染色体およびサブメタセントリック(SM)染色体の存否に起因していた. この二つの異形染色体の有無により, 6つの核型を観察することができた. このような染色体の多型現象は, 常染色体中の4個のアクロセントリック(A)染色体が動原本部で癒合して大型のM染色体をつくるか, SM染色体をつくるかにより, 生じたものと思われる. なお, いずれの場合も染色体の基本数は70で一定しており, いわゆるRobertson型転座によるものと思われる. すべての検査個体に共通して, 常染色体中に中型のM染色体1対が存在した. X染色体はA染色体中最大で, Y染色体は小型のSM染色体であり, 識別は容易であった.

言及状況

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ニホンジカにおける染色体多型現象について https://t.co/2RLRDyDpXB 個体によって65~68と染色体数に変異。元は68で、数の変化はやはり染色体の癒合によるものとな。そしかも普通に交配できているらしい。 へええ、こういう例外もあるんだな

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