著者
大越 伸 北野 訓敏
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.11-PLATE II, 1966-02-25

昭和38年1月23日, 東京都下三鷹屠場において, ホルスタイン種, 3才牝牛の涙腺嚢から, T. rhodesi と異なる眼虫7隻を検出した. 可検虫体の各部計測値を測定した結果, 1928年ロシアの W. S. ERSCHOW によって報告された T. skrjabini の計測値とほぼ一致するのでこれを同種と同定した. わが国において牛の眼球から T. skrjabini が検出されたことは, まだ報告されていない. 次いで T. skrjabini の分布を知るため, 全国から牛が参集する芝浦屠場において, 17府県から集まった屠殺牛96頭の眼球を検査した結果, 2地区の牛(千葉県4頭, 茨城県1頭)から, 合計16隻の T. skrjabini を検出することができた. さらに昭和40年7月から10月にわたり, 東京都の八丈島と大島, 北海道の新冠種畜牧場, 茨城県の東京大学付属牧場における合計199頭の牛を, 生理食塩液加圧眼球洗浄によって検査した結果, 合計226隻の眼虫を得た. そのうち35隻(15.4%)が T. skrjabini であったので, 本虫はわが国においても広く分布していることが判明した.

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こんな論文どうですか? 牛の眼虫症に関する研究 : 1. 日本で発見された Thelazia skrjabini Erschow, 1928について(大越 伸ほか),1966 http://t.co/P0uj3a5W8h

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