- 著者
-
浅野 誠
太田 宏
- 出版者
- 社団法人日本経営工学会
- 雑誌
- 日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.4, pp.218-227, 1998-10-15
- 被引用文献数
-
2
本論文では, 機械に稼働停止時間帯が設定され, 各ジョブには納期厳守制約と生産開始時刻の非負制約のある単一機械スケジューリング問題を考える.稼働停止時間帯は, 休憩時間, 休日や機械の保守期間などの操業させたくない時間帯であり, 稼働停止時間帯ではジョブの生産はできないが, 残業や休日出勤などによって停止時間の短縮が可能である.また, スケジュールの最初のジョブの生産開始時刻は非負でなければならない.納期は顧客からの要求に従って設定され, 納期遅れは許されず, 納期に合わせて製品が出荷されるため, 生産終了時刻から納期までは製品を在庫として保持しておくための費用が必要である.この問題を解くために, 本論文では, 納期余裕にかかる在庫保持コストと稼働停止時間帯の停止時間短縮コストの総コスト最小化の近似スケジュール導出アルゴリズムを提案する.そのとき, 稼働停止時間帯の停止時間の短縮にかかるコストは, 停止時間を稼働時間にするための残業費用や機械の保守期間短縮に要する費用に相当する.さらに, 提案アルゴリズムの諸特性を数値実験により示す.