- 著者
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立平 良三
- 出版者
- 日本信頼性学会
- 雑誌
- 日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.4, pp.328-335, 2003-06-25
天気予報の信頼性についての基本的な情報は精度の検証によって提供される.天気予報の精度検証が組織的に行われるようになったのは比較的最近のことであり,利用者へはまだ十分浸透しているとはいえない.天気予報の精度は年々向上しているものの,気象観測網の粗さや大気現象のカオス的性質のため誤差は避けられず,効果的な利用のためには精度の把握は不可欠である.信頼性へ配慮することなく,予報を近似的にでも確報と考えて利用できる時代の到来はまだまだ先のことであろう.最重要の課題は,全地球大気(さらに海洋も)の三次元の高分解能観測網の確立である.天気予報の精度は,適中率などの単一の指標で評価できるものではないし,また日々の予報毎に変動する.降水確率予報のような確率形式の予報は,利用者に日々の予報の精度を含めて提供する,最も実用的な手段である.確率形式のメリットが利用者に広く認識されるようになれば,今後各種の予報の発表形式として要望されてこよう.