著者
塩谷 雄二 嶋田 豊 松田 治巳 高橋 宏三 寺澤 捷年
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.823-831, 1995-04-20
被引用文献数
2 1

駆〓血生薬であるサフランの薬理学的作用を明らかにする目的で,まず投与前に性成熟期の12人の健常女性の月経期,卵胞期,黄体期で11-dehydro TXB_2,血小板凝集能, 血液粘度, 血液生化学の検査を行った。月経期では卵胞期または黄体期に比べ,血液粘度,血小板凝集能, 11-dehydro TXB_2の上昇と平均赤血球容積(MCV)の増加を認めた。このことから血液粘度を上昇させる要因としてMCVの増加による赤血球変形能の低下が考えられた。月経期では子宮内膜のPGE_2が最高値を示すことから,MCVの増加にPGE_2が関与していることが推測された。次いで6例の対照群には白湯を投与し(約4週間),他の6例にはサフラン振り出し液を投与し(約4週間), これらの指標の変化を比較検討した。サフランは月経期においてMCVと血液粘度を明らかに低下させたことから,血液粘度の低下の要因にはMCVの減少による赤血球変形能の改善が関与しているものと考えられた。また血中エストロゲンが低値の卵胞期において11-dehydro TXB_2を低下させた。〓血病態においては全血粘度が上昇していること,血小板のトロンボキサン合成が冗進していることが報告されているが,サフランはこれらの指標に対し明らかな作用を持つことから,駆〓血作用を有することが健常の性成熟女性-C示された。

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こんな論文どうですか? サフランの薬理学的作用の研究 : 性周期に伴うプロスタグランジン,血小板凝集能,血液粘度,血液生化学の変化を指標として(塩谷 雄二ほか),1995 http://id.CiNii.jp/Qw2eL
こんな論文どうですか? サフランの薬理学的作用の研究 : 性周期に伴うプロスタグランジン,血小板凝集能,血液粘度,血液生化学の変化を指標として,1995 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004001138

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