著者
石 明寛 石 政道 吉田 耕治 柏村 正道
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.185-189, 2000

目的:生殖年齢婦人の長期大量飲酒によって続発性無月経,性機能障害,不妊など起きることが報告されている.今回,長期間の不妊治療でも妊娠できないことを悩んでアルコール依存症となった2症例を報告する.症例1:36歳の主婦で0妊,32歳で結婚,夫婦は円満で,結婚2年目から夫の晩酌の相手をして,少量飲酒を始めた.近医で不妊治療を受けても2年間妊娠せず,不安と淋しさから飲酒を始めるようになった.平成5年より月経不順となり,その後続発性無月経となったため当科に受診となった.禁酒と当科での診療約1年2ヵ月後,妊娠に至った.症例2:29歳の主婦 0妊,20歳で結婚.仕事を継続していた.結婚して3年経過しても,妊娠しないため,治療に専念する目的で会社を辞めたが,2年経過しても子供に恵まれなかったことを契機として,飲酒を始めようになった.28歳時,肝機能異常及び無月経などを呈し,近医を経て当科紹介となった.現在禁酒及び不妊治療を受けている.考察:女性がストレスを感じた時のfright反応としての行為は買い物,やけ食い,飲酒などが多い.不妊であることは,女性にとって強いストレスのひとつである.今回の2例の患者はfright反応として飲酒に走ったものである.不妊治療のときには,患者の飲酒歴の検討や心理教育も大切と思われる.

言及状況

外部データベース (DOI)

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こんな論文どうですか? 不妊の誘因により飲酒をしてアルコール依存症になった2症例,2000 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004012523

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