- 著者
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宮中 文子
- 出版者
- 一般社団法人 日本女性心身医学会
- 雑誌
- 女性心身医学
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.2, pp.173-180, 2001
- 被引用文献数
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2
中高年女性(祖母)が孫との関わりを持つことは心の健康にプラスに影響するかどうかを明らかにするため,3〜5歳の幼児の母親と祖母に対して質問紙調査を行い,祖母と母親528組について,抑鬱度と主観的幸福感の満足度を心理的健康として分析した.その結果,心理的健康にプラスに影響していた因子は,「健康と感じている」,「日常活動に自立している」,「配偶者が健在である」,「子育てに疲れを感じていない」,「母親との育児方針の相違がない」,「子どもの世話が好き」,「遊びなどを中心とした社会・文化的な子育て参加が多い」などであった.これらのことから,中高年女性では,孫と関わるライフスタイルを主体性に選択すること,母親との豊かな人間関係,遊びを中心とした子育て参加をすることなどを通して,その中で幸福感を見いだしていくことが,心の健康にプラスに影響すると考えられる.