著者
我部山 キヨ子
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.212-219, 2002
被引用文献数
1

本調査の目的は,産後2年間の自己概念の変化を調査し,出産・育児との関連性を分析することである.1.対象と方法:対象は京都及び大阪府にある総合病院3施設で出産した女性440人である.調査方法は,産後の4時期(出産直後・5日後・1ヵ月後・1〜2年後)に自己概念(RosenbergのSE, DreyerのISRO)と出産・育児因子を質問紙にて調べた.2.結果:1)有効回答195人(44.3%),平均年齢29.0±3.7歳,2)積極的・消極的自尊感情は,4時期ともに初産婦は経産婦よりも高値で,特に積極的自尊感情は全時期で有意に高値を示した.3)初産婦・経産婦ともに家庭内労働・育児やキャリアの葛藤・家庭外労働の3つの性役割は,1ヵ月後よりも1〜2年後に高値を示し,特に家庭外労働の性役割は有意に高値となった.4)不良な自尊感情に影響した出産因子は,出産が重い部(経産婦)と出産に不満部(初産婦)であった.良好な自尊感情に影響した育児因子は,育児が楽しい部と夫の育児参加部(経産婦)および育児の心配や不安がない群(初産・経産)であった.5)有職群は「育児・キャリアの葛藤」(初産・経産)と,「家庭外労働」(経産婦)の性役割が有意に高値で,非伝統的傾向を示した.経産婦の出産体験満足部は「家庭内労働」の得点が有意に低値,母乳育児群は「育児・キャリアの葛藤」の得点が有意に高かった.以上,自尊感情は出産の軽重・満足や育児態と,性役割は職業・出産の満足及び母乳育児と深く関連していることが示唆された.

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こんな論文どうですか? 産後2年までの自己概念の変化 : 出産・育児と自己概念の関連性(我部山キヨ子),2002 http://id.CiNii.jp/Qz1iL
こんな論文どうですか? 産後2年までの自己概念の変化 : 出産・育児と自己概念の関連性(我部山キヨ子),2002 http://id.CiNii.jp/Qz1iL

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