著者
友近 晃 石川 博之 中村 進治
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.264-273, 1995-08
被引用文献数
14

矯正歯科治療では, 形態的および機能的に安定した咬合状態を得るため歯列歯槽部の形態および位置関係の調和を図ることが重要である.しかし, これまで歯槽部の三次元的形態および位置関係を十分把握することは非常に困難で, 限られた計測部位について分析を行っているに過ぎなかった.そこで本研究では, 歯列模型形状計測システムに反射鏡とθテーブルを導入することにより, 歯槽部を含めた歯列模型全体の三次元数値化を行った.また, バイトブロックデータを用いて上下顎データの位置合わせを行い, 計算機上で咬合状態を再現する方法を開発した.さらにこの計算機上での位置合わせの結果について, 従来より用いられているブラックシリコン法による咬合診査の結果と比較検討したところ, 本法により再現された咬合状態は, ほぼ生体における咬合状態と一致していることが確認された.これらより本システムを用いた上下顎歯列弓, 歯槽頂弓, 歯槽弓の三次元的な形態および位置関係の総合的な分析方法を確立した.つぎに臨床応用として, 両側臼歯部逆被蓋症例につき分析を行ったところ, その成因を上顎歯槽部の狭窄という形態的問題と上下歯槽部の前後的関係の不調和という位置関係の問題とに分離して把握することができた.以上のことより, 本システムを用いた不正咬合の新たな角度からの症例分析の可能性が示唆された.

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こんな論文どうですか? 歯列模型形状計測システムを用いた歯列歯槽部の三次元分析法の開発(友近 晃ほか),1995 http://t.co/q9In7oRrW9
こんな論文どうですか? 歯列模型形状計測システムを用いた歯列歯槽部の三次元分析法の開発,1995 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004013079

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