著者
金子 文成 車谷 洋 増田 正 村上 恒二 山根 雅仁
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.115-122, 2005-06-20
被引用文献数
3

本研究の目的は, 一連の投球動作中に変化する筋活動の様相について, 先行研究にあるように投球相毎に平均化するのではなく, 連続的時系列データとして動的変化を示し, 肩関節回旋筋腱板を構成する筋における活動動態の差異について検討することであった。大学生野球部投手1名の投球中(球種は直球)に, 肩関節回旋筋腱板を構成する4筋から筋電図を記録した。そのうち棘上筋, 小円筋, 肩甲下筋にはワイヤ電極を使用した。棘下筋には能動型表面電極を用いた。筋電図は振幅および時間軸共に規格化した(nRMS)。各関節運動の加速度はビデオカメラで記録した画像から算出した。反復した投球間における, nRMSのばらつきである変動係数は, 筋によって異なる特徴を示した。筋活動動態の連続時系列的変化として, 10球分のnRMSを平均した(nRMSavg)曲線の最大値出現時間は, 筋毎に異なっていた。投球において動的機能が重要視される肩関節回旋筋腱板において, nRMSavgが時々刻々と入れ代わる様子が明らかになった。筋間の相関性も筋の組み合わせによって異なり, 棘下筋と小円筋が強く相関していた。反復した投球における筋活動動態のばらつき, 連続時系列的なnRMSavgの変化, そして筋間の相関性の特徴は, 個人内での筋活動動態の特徴を検出するための指標として有効である可能性があると考えた。

言及状況

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これには、加速期における、肩甲下筋(内旋)→棘上筋、棘下筋(外旋)の切り替えがバッチリ。アーム式、アメリカンにはこれがない。http://t.co/Im67eY11

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