著者
関根 義彦
出版者
三重大学生物資源学部
雑誌
三重大学生物資源学部紀要 (ISSN:09150471)
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-23, 2004-03

風の海面応力の季節変動については海洋の順圧応答が卓越し,北太平洋の亜熱帯循環では南西諸島の東にある大陸棚斜面に沿う琉球海流といわれる西岸境界流と伊豆海嶺の東にある西岸境界流の存在が晩冬から春にかけて指摘されていた。したがってこの二つの西岸境界流を接続する海流の存在が予知され,ここでは琉球海流続流と呼ぶ。この琉球海流続流の流れの特性を見るため,順圧モデルを仮定して冬と春のスヴェルドラップバランスした流れで駆動する幾つかの数値モデル実験を行った。本論では線形および弱非線形のモデルパラメータを与えた数値モデルの結果をまとめた。その結果,四国海盆ではムンク型,ムーア型,非線形型,超非線形型の4つの流れのパターンが存在することが示された。大きい渦粘性係数の場合にはムンク型のみが生じること,小さい渦粘性係数の場合には深さで制御される流入出速度が小さい場合にはムーア型が生じ,流入出速度が大きい場合には非線形型,流入出速度が最大の場合には超非線形型が生じることが示された。さらに,琉球海流続流はムンク型とムーア型の場合に明瞭に出現するが,非線形型と超非線形型の場合には不明確となることが示された。原著論文

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こんな論文どうですか? 新しい海流である琉球海流続流に関する数値モデル実験(第1部)線形及び弱非線形モデル(関根 義彦),2004 https://t.co/QC4UCLDKeO 風の海面応力の季節変動については海洋の順圧応答が卓越し,北太平洋の亜…

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