著者
菅原 十一
出版者
国立科学博物館
雑誌
自然教育園報告 (ISSN:0385759X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.27-35, 1982-03

1979年の台風第20号の影響によって発生した被害樹木を指標に強風地域分布の推定を行なった。その結果, 推測の域を出ないが, 次に示す傾向がうかがえた。(1) この台風の最接近時には, 近年にない最大級の強風となった。風向 : S及びSW風速 : 平均27.0〜31.Om/s, 瞬間最大38.5m/s(2) 被害樹木は, 総本数92本におよび, 近年にない最大級の被害例となった。(3) 被害樹木の分布には, 局地性がみられるとともに, その主な要因として地形, 植生, 道路などが考えられた。(4) 被害樹木分布及びその要因などを考慮にいれ強風地域分布図を作成した。(5) その結果, 数ヶ所に強風の収束地域の存在が推定された。特に, 水鳥の沼よりイモリの池にかけての谷筋付近では, 風速が強く, 収束域の幅が広くなると考えられる。(6) 風下側に面した傾斜地及び森林内では, 強風が著しく弱まる傾向がみられた。

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編集者: X-enon147
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