著者
井上 浩
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
no.9, pp.p99-103, 1976-10

1. 四国地方の低地にみられる蛇紋岩地は乾燥して, アカマツを主とする疎林が多く, 苔類植生にはみるべきものがない。 2. 東赤石山および白髪山の高地に発達する蛇紋岩地ではヒノキ, ヒメコマツなどを主とする針葉樹林が土地的極相林として成立し, ここにいちじるしい苔類植生がみられる。 3. 東赤石山と白髪山には北日本の蛇紋岩地域を特徴づける苔類として考えられた各種がみ出されるが, 量的には少ない。 4. いちじるしい不連続分布をする種類としてチチブイチョウウロコゴケ (Acrobolbus ciliatus), チャボツボミゴケ (Jungermannia pumila), エゾムチゴケ (Bazzania trilobata), ヤマムチゴケ (B.pearsonii) がみられ, 四国では東赤石と白髪山だけに知られている。 5. 四国の蛇紋岩地苔類ではミゾゴケ科, クラマゴケモドキ科ならびにゼニゴケ目の種類が欠けるか, いちじるしく貧弱であることが特徴となる。

言及状況

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今年も蛇紋岩ツアーできなかったな……。蛇紋岩は崩れやすいから登るのには向いてないらしいけど、鉱物が含まれているから変わったコケが生えるらしいと聞いたことがある。「岩手県の岩」らしいけど、四国ではチャツボミゴケなんかもいるぽい https://t.co/6SrIGhBEYm

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