- 著者
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村田 光平
- 出版者
- 東海学園大学
- 雑誌
- 東海学園大学研究紀要. 人文学・健康科学研究編 (ISSN:1349161X)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.57-64, 2005-03-31
グローバリゼーションが進展する中で、手段である経済成長が目的と化し、人間の幸福追求という本来の目的が忘れられている。人間は排除の対象にすらなりつつある。このような現状を生んだ要因としては、倫理の欠如、真の指導者の欠如、及びGDP経済学の責任の三つを指摘できる。人間の幸福は文化なしには考えられず、文化と文化交流を重視することは、経済至上主義に対するカウンター・バランスとなり得よう。揺らぎつつある政官財文化に取って代わり、環境破壊に脅かされた地球を救う「地球市民文化」が、人間復興を目指し逆襲に出るのである。宗教的寛容さを切り札とする日本は、新しい文明の創設と民事、軍事を問わない地球の非核化を世界に訴えていくべきである。