著者
吾妻 修
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. I, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.89-102, 2005-02-21

ディドロの『ブーガンヴィル航海記補遺』は、タヒチ人の自然の生活を讃美するとともに、ヨーロッパ文明を諷刺・批判した著作である。まずディドロの文明批評がどのような問題を提起しているかを考察する。次に、文明に対置された自然が、彼においてどのような意味を与えられているかを検討してみる。念頭にあるのは、近代思想の孕む空虚さである。なおこの報では性の解放と近親相姦に焦点を当てる。

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