著者
牧野 圭子
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.117-133, 1995-12-20

本稿では、消費経験主義研究について検討を行った。まず、消費者行動研究全体における消費経験主義研究の位置づけが弱いことを述べた。次に、消費経験主義の主要概念として「快楽消費」と「消費の意味」の二つを取り上げ、それぞれの問題点を検討し、今後の方向性について提案を行った。「快楽消費」については、"快楽"の概念に注目し、1."効用"の概念との対比の非妥当性、2."属性"との関係の問題、3."快楽"以外の感情の研究の必要性、の3点に関する議論を展開した。一方、「消費の意味」については、1.消費の個人的意味と社会・文化的意味の区別の必要性、および2.社会・文化的意味の研究課題について論じた。最後に、実務サイドにおいても、消費経験主義と共通の関心があることを指摘し、今後は実務サイドの見解も消費経験主義研究に組み込んでいくべきであると論じた。

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