著者
石黒 馨
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.29-51, 2004-03-19

本稿は,国内紛争への国際社会の介入について簡単な戦略モデルを構成し,国内紛争を回避する条件,特に国際社会の介入のコミットメントやクレディビリティについて検討する。本稿の主要な結論は,国際社会が国内紛争への介入に関して必ずしもコミットできない場合でも,国際介入のクレディビリティを十分に確立することができれば,国内紛争を回避することができるというものである.国際社会には国家主権と内政不干渉の原則があり,国際介入は人道的理由であっても確立された国際的な原則や規範ではない.したがって,国際社会は国内紛争に対して必ずしも介入するとは限らない.しかし,国際社会が介入に関してコミットできない場合でも,その介入に十分なクレディビリティがあれば,国内紛争を回避できる場合がある.

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