- 著者
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小野 佐和子
- 出版者
- 社団法人日本造園学会
- 雑誌
- 造園雑誌 (ISSN:03877248)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.5, pp.43-48, 1992-03-31
- 被引用文献数
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江戸時代後期に越後柏崎で行なわれた茸狩を例に,近世地方都市の行楽のありようを考察する。近世の中小の都市ではわらび取りや鮎すくいといった採取形態の行楽が広く行なわれたが,茸狩もその一つである。茸狩の場所は町周辺の丘陵地帯で春の野遊びの場であることが多い。茸の季節には家族や友人が連れだって茸狩に出かけ,子供も参加した。とった茸は食料であるばかりでなく,贈答品となり,またゲームの戦利品ともみなされた。このゲームとしてのおもしろさが人々を茸狩にかりたてたと考えられる。また茸狩は時として遊宴をともない,都市と農村との交流の機会になることもあった。