- 著者
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宿 玉堂
- 出版者
- 大阪外国語大学
- 雑誌
- 大阪外国語大学論集 (ISSN:09166637)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, pp.105-115, 1993-03-25
『公孫九娘』は蒲松齢が執筆した『聊斎志異』の中の一編で、最もロマンティックで、最も評価の高い作品の一つである。清代初期に、山東省栖霞の于七とう人物の指導する農民蜂起が、清朝政府によって血の弾圧を受けたという史実を背景に、一人の若者と美しい幽霊の間の悲恋を描き出している。作者はこの怪異な悲劇を通して、清朝の支配者が無事の民を殺害した残虐な犯罪行為を読者の前に訴え、心中の悲憤を表している。本文は、『公孫九娘』の歴史的背景、人物の形象化、情景描写、言語表現等に対して拙論を述べると共に、原文に出来るだけ詳細な注釈を加えたつもりである。諸先生方の御叱正を請う。