- 著者
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栗畑 博幸
高橋 友和
目加田 慶人
井手 一郎
村瀬 洋
玉津 幸政
宮原 孝行
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.105, no.674, pp.55-60, 2006-03-10
本報告では車載カメラ映像から雨天時に現れる画像特徴を抽出し,それを用いた状況別降雨認識手法を提案する.車載カメラを用いた運転支援技術の一環として,撮影時刻や降雨量の異なる様々な状況において天候,特に降雨の認識を試みる.具体的にはフロントガラスに付着した雨滴により変化する画像特徴を,昼夜の状況に適した方法を用いて検出することによって降雨の認識を行う.昼間の映像の場合には,様々な形状の雨滴画像から主成分分析を用いてテンプレートを作成し,テンプレートマッチングにより雨滴を検出する.我々はこれまで画像中の空領域からの雨滴検出手法を提案してきたが,本報告では入力画像を複数フレームにわたって平均化することで,画像全体からの安定した雨滴検出を行う手法を提案する.また雨滴検出結果をフレーム間で照合することで,より精度の高い雨滴検出が期待される.夜間の映像の場合には,雨滴による散乱光を定量化する.撮影時刻や降雨量の異なる実映像を用いて実験を行った結果,昼間の場合,画像全体から適合率0.97,再現率0.51と,従来と同程度の検出精度が得られた.また夜間の場合,83%の降雨判定成功率が得られた.これらのことから提案手法の有効性を確認した.