著者
中村 美保子 三木 喜美子
出版者
広島文化学園大学
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.51-58, 2003-12-25

本稿では終末期における患者I氏のクォリティ・オブ・ライフとその看護について「QOLに影響する要因:因果モデル」を使用し 1)物理的環境 2)社会的相互作用 3)身体的健康状態 4)精神的健康状態 5)性格と経歴の5つの要因から考察した。結果,1.QOLは様々な構成要素からなり,ひとつのニーズに対しても全体的なQOLとして,トータル的に患者をみていかなければならない。2.QOLは様々な構成要素が関連しており,ひとつの要因がすべてに関連する。3.個人の生育歴や社会的背景により個々に違い様々である。そのため,QOLの評価の際には個別的に考える事が重要である。4.「その人にとっての幸福感」を視点にもつことが最も重要である。5.幸福感は患者・家族にとり,主観的なものであるが,QOLを高めるケアを提供する看護は,幸福感や価値観をどこにおくか,看護者の価値観で患者をみていないか,患者・家族を客観的に評価し考えていかなければならないことが明らかになった。

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