著者
沙 秀 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.681, pp.61-66, 2006-03-15

似顔絵においては個人の顔特徴が端的に表現されると同時に、感性情報を付加することによって、より豊かな個人表現を行うことが可能である。本論文では、異なる表情を持つ二つの顔画像(学習サンプル)の組について、表情の特徴だけを表す表情ベクトルをFisherの線形判別法で決定する。さらに、主成分分析により顔特徴を表す成分と表情の特徴を表す成分とが混合した主成分に対応する固有空間(「特徴固有空間」と呼ぶ)を求める。次に、表情ベクトルと特徴固有空間からGram-Schmidtの直交化法により、顔部品の形状や配置の特徴を表す成分と表情の特徴を表す成分を分離した正規直交基底(「表情独立固有空間」と呼ぶ)を構築する。この表情独立固有空間を用いて、入力顔画像に異なる表情を付与する。合成した表情顔形状が本人の実写表情写真とどの位近いかを確かめるために主観評価実験を行い、表情独立固有空間を用いた表情合成方法の有効性を明らかにした。

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