- 著者
-
今井 純好
栗原 潔
小澤 美和
島本 由紀子
石田 和夫
- 出版者
- 北里大学
- 雑誌
- 北里医学 (ISSN:03855449)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.58-64, 1995-02-28
北里大学病院では1989年7月より神経芽細胞腫マススクリーニング(NBMS)陽性者の精密検査を行ってきた。今回は精密検査を施行した84例の乳児を対象にNBMS陽性者から発見された神経芽細胞腫(NB)例の頻度や特性, NBMS陽性でありながら腫瘍を認めなかったNBMS疑陽性例の経過観察の方法などについて検討した。NB例は6例,疑NB例1例で進行例も認めたが, N-myc癌遺伝子の増幅を認めなかった。NBMS疑陽性例については,1歳までは腹部超音波や胸部XPなどの画像診断により腫瘍の確認を慎重に行い,それでも腫瘍が認められなかった症例については,2歳頃まで尿中VMA, HVAなどにより経過観察を行った方がよいと思われた。