著者
前田 優 小林 三世治 真柄 俊一
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.229-237, 1990-12-15

保険診査時の血液検査の一項目としてフルクトサミン(FA)を導入した。FAは採血時の1-3週前の平均血糖濃度を反映しているといわれている。今回,糖尿病などの糖代謝異常疾患の医学的選択資料のひとつとして利用できるかを検討した。過去ならびに現在に尿糖陽性,糖尿病,およびその疑いのあった153例のうちFAが異常値を示したものは51例であった。FAとヘモグロビンA1(HbA_1)との相関係数は0.828と強い関連を認めた。尿糖(±)以上の群ではFA,HbA_1の平均値はすべて異常値を示し,尿糖(-)群でもそれぞれ17%,15%の例で異常値を示した。今日までに血糖コントロールの指標としてHbA_1の信頼性は十分確立されてきた。しかし,生命保険診査という限られた状況において,他の生化学検査と同一試験官で採血できるFAで,HbA_1と同程度の情報を得られるなら,利便性,コストの面からFAの方がメリットがあると考えられる。

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こんな論文どうですか? フルクトサミンの危険選択における意義,1990 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004697548 保険診査時の血液

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