著者
金 恩一 藤井 英二郎
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
no.46, pp.p215-220, 1992-03
被引用文献数
1

韓・日の植栽の構成や取扱いを比較するための基礎として点, 線を対象に, 眼球運動を解析した.実験に用いた対象は白板, 丸点, 横線, 縦線, 横縦線, 右斜め線, 左斜め線, X線である.停留点では「白板」より「丸点」で集中する傾向が見られた.韓国人は「横線」, 「縦線」, 「横縦線」の線上に停留点がより多く分布し, 視点移動もいずれの対象においても横方向の移動がより多く見られた.これに対して日本人では「横線」と「縦線」における停留点の分布と視点移動がいずれもその線上に分布し, また「横縦線」でも対象に則する傾向が見られた.斜め線に対する停留点の分布型では, 韓国人は「右斜め線」, 「左斜め線」, 「X線」いずれにおいても同じ分布型を示すのに対して, 日本人は対象ごとに分布型が異なる傾向が見られた.従って, 韓国の人々は対象物に係わらず一定した見方を示す傾向があるのに対して, 日本人の見方は対象に則して変化する傾向をより強く示すものと考えられる.

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