著者
金 恩一 藤井 英二郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.141-144, 1995-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
6 6

植物の色彩が人間に与える生理・心理的効果を検討するため, ペチュニアの6品種 (紫, 赤, ピンク, サーモンピンク, 黄, 白) と花のないペチュニアを対象に脳波, 血圧を測定した。さらに, それらとアンケ可ト調査結果との関連性を検討した。また, これとほぼ同じ被験者によって進めているスギ林と満開状態のソメイヨシノ林 (花の色はピンク) における同様の検討との比較も行った。その結果, ペチュニアの緑とピンクにおいてみられた結果と, スギ林とソメイヨシノ林の間でみられた結果には, 類似した傾向がみられたことから, それらに対する印象評価とβ波が多く発生する部位との間には関連性があるものと考えられる。
著者
多田 充 金 恩一 藤井 英二郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.209-212, 1994-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

山容および表面の被覆の異なる山岳景観が人間に与える生理・心理的影響について比較するため, 樹木に覆われた山と急峻な谷川岳一ノ倉沢を対象に実験的に検討した。現地で被験者から脳波, 自律神経機能を測定し, 同時にアンケ-トを行った。その結果, 山では一ノ倉沢に比べて安全感と快適感が低かった。脳波のα波発生量は山では一ノ倉沢に比べて前頭部中央において相対的に高く, 脳の同部位の活動が異なることが示唆された。両対象は言語を介した評価, 感情のみならず, 身体的な反応にも異なる影響を与えていると考えられる。また性によって山岳景観の評価, 脳波や自律神経の反応が異なり, 男性はより分析的に, 女性はより感情的に捉えていた。
著者
金 恩一 藤井 英二郎
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
no.46, pp.p215-220, 1992-03
被引用文献数
1

韓・日の植栽の構成や取扱いを比較するための基礎として点, 線を対象に, 眼球運動を解析した.実験に用いた対象は白板, 丸点, 横線, 縦線, 横縦線, 右斜め線, 左斜め線, X線である.停留点では「白板」より「丸点」で集中する傾向が見られた.韓国人は「横線」, 「縦線」, 「横縦線」の線上に停留点がより多く分布し, 視点移動もいずれの対象においても横方向の移動がより多く見られた.これに対して日本人では「横線」と「縦線」における停留点の分布と視点移動がいずれもその線上に分布し, また「横縦線」でも対象に則する傾向が見られた.斜め線に対する停留点の分布型では, 韓国人は「右斜め線」, 「左斜め線」, 「X線」いずれにおいても同じ分布型を示すのに対して, 日本人は対象ごとに分布型が異なる傾向が見られた.従って, 韓国の人々は対象物に係わらず一定した見方を示す傾向があるのに対して, 日本人の見方は対象に則して変化する傾向をより強く示すものと考えられる.
著者
金 恩一 藤井 英二郎 安藤 敏夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.139-144, 1994-03-31
被引用文献数
3 6

緑地の視覚心理的効果を明らかにするため,植物の視覚的要素の一つである色彩に着目し,それと眼球運動,脳波との関係について検討した。視覚対象としては,ペチュニアの6品種(紫,赤,ピンク,サーモンピンク,黄,白)と花のないペチュニアそれぞれを面的に広がる形で被験者の前に提示し,そのときの眼球運動をトークアイで,脳波を脳波計によって測定した。その結果,眼球運動と脳波の間にある種の関連性をみることができた。また,既報の色布を用いた実験と比較した結果,男女差については緑色を除いて他の色では類似した傾向を得ることができた。
著者
金 恩一 藤井 英二郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.141-144, 1995-03-31
被引用文献数
4 6

植物の色彩が人間に与える生理・心理的効果を検討するため,ペチュニアの6品種(紫,赤,ピンク,サーモンピンク,黄,白)と花のないペチュニアを対象に脳波,血圧を測定した。さらに,それらとアンケート調査結果との関連性を検討した。また,これとほぼ同じ被験者によって進めているスギ林と満開状態のソメイヨシノ林(花の色はピンク)における同様の検討との比較も行った。その結果,ペチュニアの緑とピンクにおいてみられた結果と,スギ林とソメイヨシノ林の間でみられた結果には,類似した傾向がみられたことから,それらに対する印象評価とβ波が多く発生する部位との間には関連性があるものと考えられる。