著者
片本 恵利
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学人間福祉研究 (ISSN:13483463)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.37-53, 2005-03-31

わが国の大学における心理査定に関する教育は、これまで実施法・解釈法その他の概説のあとひたすら実践するという方法がとられてきた。この方法は、臨床心理士養成へのニーズの高まりや倫理面で問題をはらんでいる可能性がある。また初学者は、解説書に基づいて所見を作成する段階でつまずくことが多い。これらの問題に対応するために考えられた、筆者が作成した架空の樹木画作品の対提示を用いたバウムテストの解釈仮説の立て方の実習について報告し、初学者が、検査結果に主体的に関わりこころを動かしてアセスメントができるような、体験と解説書とを橋渡しする試みを考察した。この実習の特徴として以下の5点が挙げられる。(1)体験的に心理検査の成り立ちについて学習できる。(2)心理検査の解釈仮説の立て方を体験的に学習できる。(3)心理検査実施の基礎全般について体験的に学習できる。(4)筆者が描いた架空の描画作品を用いることで、学習に柔軟に活用できる。(5)受講者のレディネス、志向、授業時間によって学習内容を工夫できる。

言及状況

Google+ (1 users, 1 posts)

樹木画の対提示による心理アセスメントに関する実習の試み : 臨床心理基礎実習におけるバウムテストの解釈に関する実習 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004708583  

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト