- 著者
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春日 淳一
- 出版者
- 関西大学
- 雑誌
- 關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.1, pp.133-151, 2005-06-15
「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」,「閉じた社会と開いた社会」といったように2項を対比させる説明図式は社会科学では昔からなじみ深いものであるが,2項対比をふたつ組み合わせた4次元の図式も,より精巧な分析用具としてしばしば用いられており,その代表例はパーソンズの理論に見られる。一方,衣・食・住,天・地・人,真・善・美といった日常的な3項対比はわれわれを3次元図式に誘う。4次元図式に勝るとも劣らぬ学問的な説得力をもつ3次元図式はいかにしてつくられるのか。これが本稿の中心テーマであり,ルーマンの図式を素材にして,レヴィ=ストロースの「料理の三角形」およびゴットハルト・ギュンターの「棄却値」(ないし「超言」)にヒントを得つつ3次元図式の強みを浮かび上がらせる。