著者
夏目 里恵 阿部 学 菅井 智昭 葉山 文恵 崎村 建司
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.119, no.12, pp.730-734, 2005-12-10

グルタミン酸興奮毒性は,脳虚血やてんかんなどの急性疾患ばかりでなく,長い過程を経る神経変性疾患による神経細胞死の原因としても注目されている.グルタミン酸受容体チャネルは,興奮毒性発現機序において中心的な役割を果たしていると考えられてきた.とりわけ,高いCaイオンの透過性を持つNMDA型グルタミン酸受容体はその鍵を握る分子として注目されてきた.この受容体の機能特性を決定する4種類のGluRεサブユニットノックアウトマウスを用いて,カイニン酸急性毒性におけるNMDA型受容体の関与を検証した.その結果,GluRε1サブユニットがカイニン酸による興奮毒性発現に最も重要な役割を果たしていることが明らかになった.さらに,小脳顆粒細胞に有意に発現するGluRε3や幼者期に主な発現があるGluRε4にも毒性発現への影響力が有ることから,NMDA型受容体は様々な機序で興奮毒性に関与していることが示唆された.

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「グルタミン酸興奮毒性は、脳虚血やてんかんなどの急性疾患ばかりでなく、長い過程を経る神経変性疾患による神経細胞死の原因としても注目されている。」新潟医学会雑誌 http://t.co/yryUiX6

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